(一般)

1) 地震
しかしこれだけ大きな地震だったのに死亡者は13人。行方不明6名でした。
コキンボの街で、海岸沿いの家はツナミで姿を消しましたが、その家主が「ツナミの警報がでたので、家族で外に逃げた。それがなければ、今頃、全員死亡していたことだろう」
5年前の大地震の死傷者から比べると今回ははるかに少ないですが、それは過去の経験から、100万人と言われる人を海岸沿いから、高台に避難させたからでしょう。学習効果ですね。前回はツナミが地震の後、数時間してから襲ったので、今回も警報解除には慎重でした。だからこそ私たちもホテルの外で4時間も寒い中で待たされました。
それから前の大地震では商店に乱入して根こそぎ盗んでいく不祥事が目立ちましたが、今回はほとんどニュースになりません。軍隊が警備にあたっているからでしょう。またボランティアとして泥やごみを片づける作業を多くの市民が行っています。あと5日、つまり災害から10日で道路や公園のごみはきれいになるそうです。その後がまだ大変ですが。
被災者が集まってアサード(BBQ)を実施。家をなくして泣いていたけど、いつまでも泣くわけにはいかないから、今日は知人友人とアサードをしたいとか。この元気が必要ですね。がんばれチレ。
2) 建国記念式典
まずカトリック・ミサ。18日の建国記念日のミサは例年、政財界のトップが全員参加することになっていますが、今年は先日のEメール問題から欠席した議員が多く出ました。問題を起こした当の本人、大司教はミサの始めに、私の言動が皆さんを不愉快にしたのならそれを最初に謝りますとしました。口で言うだけなら簡単ですね。真実味が足りません。
19日は軍隊のパレード。今年で百回目とか。もっともそれに興味のない私は今まで一度もオヒギンス公園にパレードを見に行ったことがありません。落下傘部隊が今年のパレードで一番注目を浴びたらしい。
多くの人がこの週末、郊外に出て行き、日曜日の夜に戻ってきます。今年の建国記念日の休みで30人ほどの人が(歩行者を含む)交通事故で亡くなったらしい。
3) 管制官のスト
この火曜日、チリのすべての飛行場が24時間ストに入りました。航空管制官が待遇改善を要求したもの。着陸はできましたが離陸が認められず、何万人にも影響が出たらしい。その出発できなくなった便を翌日に増便したので水曜日も空港はかなり混乱しました。おまけに地震の影響も出たし。
近年、ずいぶん長い間ですが、チリでは管制塔エラーによる事故は起きていません。そうか、チリの管制官のレベルは高いのかと思っていました。
しかし私の想像は間違っていました。接触事故寸前の問題はかなり多く起きているらしい。そのほとんどは管制官のエラーによるものです。昨年、コンセプシオン市で起きたランと軽飛行機のニアミス事故は管制官がよそ見をしていたから言われますが、そんな個人的な問題の他に基本的問題が多くあります。
管制官の数が少なすぎる(必要な数は全国で400名以上なのに100名足りない)、従ってオーバーロードになる。
また管制官をコントロールするシステムが機能していない。さらにアメリカでは年齢制限の55歳になれば管制官の職を外れるが、チリでは60歳以上の中高年が3分の1も占める。
つまり、チリではいつ何時大事故が起こるか分からないとか。
今まで事故がなかったのは運が良かったからですね。
それを防ぐための新体制を政府はとる必要があるわけです。ストに入った組合の話ではこの1年以上、問題点の提起をしているのに政府は抜本的な対策を全くとっていないとか。
医療の部門で医者の数が足りないと言うのと同じですね。 それにしてもそういう話がニュースになると言うのが良いですね。チリのマスコミは信用できそうです。