(政治)

1) バチェレット政権
これだけ低迷が続くのは異常ですね。普通は時々ヒットが出るのですが、彼女の場合、エラーの連続です。今週の世論調査の結果は彼女を信任するが24%、否認するが72%と、この調査が始まって以来の悪い数字。彼女だけでなく各大臣も軒並み不信任されています。与党側の中にこのままでは次の大統領選挙で敗北するかもしれないと言う危機感が高まっています。
前政権のピニェラが人気を落とした時期に(信任35%、拒否が53%になりました)当時の社会党党首(野党ですね)は新聞の論調欄に投稿し、これだけ低い信任率の大統領が、大統領として職務を続けるのはいかがなものと厳しい批判をしました。バチェレットはそれよりずっと悪い数字ですが、その人間は自己批判もしないし、与野党ともこの問題には触れないようにしています。いつ自分の所にその矢が飛んでくるか分かりませんから。
各政策の中で最も低い評価を受けたのは犯罪対策で92%が政府の方針は間違っているとしました。バチェレットは犯罪対策特別委員会を設置しましたが、それが動かないから国民が怒るわけですね。政府のナンバー2に当たる内務大臣は政府の責任を感じるが、それに警察、検察、裁判所も責任を認めないわけにはいかないだろうと自己批判
先週、マプチェによるトラック放火事件のデモがありましたが、今週また同じようにトラックに火がかけられました。まったく政府・警察を馬鹿にしていますね。少しはメンツを考えてほしい。政府も警察に頼み込んで(圧力をかけてかな?)警察の車を道路を走行するトラックの護衛にしました。そんな特別サービスは続かないでしょうが。
私がバチェレットなら、このトラック問題に関し、「マプチェを目の敵にするのではないし、逆に許そうともしない。一般市民と同じように扱います」とします。
しかしマプチェの地区だけ大量のトラックに火がつけられるのは悲しい現実ですね。
それに今週はマプチェによる同地区のコジプジ村役場の占拠がありました。マプチェ代表が、その占拠は私たちは現状を容認していないことを表すとコメントしています。
毎週のチリの風に読者の反応は普通ほとんどありませんが、先週は感想・質問が来ました。それは日本人の間でマプチェ問題が興味を持たれていると言うことでしょうね。
ところでアルゼンチンの国営石油会社の操業が停止しています。これは同国のマプチェが政府に抗議して道路封鎖を継続しているので、操業中止を余儀なくさせられたもの。両国のマプチェは連絡を取り合っているのでしょうね。
2) 教育問題
内閣官房長官のエイサギレが、政府のアイデアはあまりにも理想が高すぎたとコメント。彼は少し前まで教育大臣をしていましたが、混乱が起こった時、それに対処できなかったので任務を替えられました。教育のレベルを揚げ、なおかつ無料にすると言うのが政府の公約ですが、彼はそれはムリだとしたわけです。以前から政府内でその考えがありましたが、共産党が公約の実現を強く主張し、後ろ向けの発言は消されました。ここにきて現実路線が、息を吹き返したようです。
しかしそれだけでなく、彼は医療でも防犯でも現在の政府は国民を納得させていないと自己批判。来週は政府内でこの発言をどう扱うかもめるでしょうね。野党側は勇気のある発言と評価しています。
3) 社会党の有名代議士ロッシがソキミチ鉱山に選挙資金援助をねだっているメールが明らかになり、彼は自分が所属する社会党の党籍を一時凍結するよう執行部に依頼しました。  そのメールの中で同僚の候補者の名前を挙げ、彼らにもよろしくとしています。彼は自分はそんなことを頼んだことはないと明言していましたが、嘘だったわけで、恥ずかしい議員の一人になりました。
同じ社会党の議員がこんな破廉恥なことは考えられないと大声を上げていました。どうなるのかな、この種のスキャンダルは。
その名簿に名前の載った政治家の何人かが裁判所に訴え出ました。自分は彼と全く関係がなく、自分の名前をだして寄付の額を上げさせ、それは同議員の懐に入って行ったのだろうとするわけです。
与党の議員の中に国民の疑惑を晴らすため、こうした不正問題で起訴された議員を次の選挙で党は公認すべきではないとしています。それくらい与党内でも追いつめられているわけですね。
4) 息子のコンピュター
バチェレットの息子夫婦の農地売買の不正問題が尾を引いていますが、息子は以前、大統領府の文化担当理事でした。その時、他の仕事と兼任は許されないのに、こっそり嫁の行っている仕事を手伝っていたと言われています。例の農地問題が明るみに出てその職を自分から辞職しましたが、その時に自分のPCの記憶を全部消すよう技術部に指示をしていたことが分かりました。そのPCは今は警察の手に入っています。いったん消した記憶をどうにかして取り戻すことが出来れば、どんな秘密が出てくるのかな?
5) シリア難民援助
欧州で中東・アフリカからの難民があふれています。ハンガリーからオーストリアに行く鉄道の駅で今週、大混乱がありました。昔、私はその路線の汽車に乗ったことがあるので懐かしく駅の様子を見ていました。
さてチリの外務大臣が、私たちもシリア難民の受け入れを検討したいと発表しました。もちろん欧州の国のように何万人も受け入れるわけにはいかないでしょうが、何十人ならすぐにでもできそうですね。実行するかな?
キューバを訪問したUDIの議員が反政府デモに参加したら警察に逮捕されました。2時間ほど取り調べを受けてから国外追放になったとか。キューバとかベネスエラで反政府運動をするのは大変ですね。