(政治)

1) バチェレット
チリの風の読者から、最近のチリの風は小説を読むより面白いと言うメールをいただきました。ありがとう。
しかし指摘しておかなければならないのは、チリのマスコミが今のところ、かなり正常に機能しているということです。新聞、雑誌、ラヂオ、テレビが政府・政党について「正常な」コメントをしています。これがなければ、単に私の推定で書くしかありません。それに比べると日本のマスコミはかなり怪しい状況ですね。
今週もあっと驚くニュースが出ました。大臣の交替です。なんと教育大臣エイサギレが飛ばされ、空席だった大統領府大臣に。デルピアノが女性教育大臣になりました。
なんでもエイサギレは教員組合や国会とネゴ・話し合いがうまく出来なかったかららしい。それなら大統領府の長官に置く必要はないでしょうが、彼が職務を果たしていないと首にすると波風が立つので空いた席に座らせ、教育大臣として労組や国会とうまくネゴできる人間を選んだと言うことでしょうね。
しかし教員ストはもう1か月にもなり、生徒やその家族に与える影響は大きいものがあります。いくつかの市町村で冬休みを前倒しにして実施するところが出てきました。教育相を外に追い出した共産党系の教員組合は勝利を味わっているのでしょうが、学生・生徒を犠牲にしても自分たちの待遇改善を要求するそういう組合に何か打つ手はないのでしょうか。
教員組合はストの継続を確認し、それに関連してデモが全国各地であり、もめました。
チリで実施中のサッカーのアメリカ・カップにこれまでチリは4試合出場しました。バチェレットはその4試合を全部、国立競技場に行って観戦しています。よほどのもの好きか特別の考えがあって意地になって実行しているのでしょう。 例えば、チリが優勝したとして、その時に、「私はチリ国民の一番前に立って代表チームを応戦してきました。こうしてチリが南米の王者になったことを国民の皆さんとともに喜びたいです」と言いながら涙の一粒でも流せば、彼女の人気は急上昇するでしょうね。甘いか。
しかし、政府内の意見としてバチェレットの精神状態は安定していないとのコメントも出ています。それによると息子夫婦の農地売買の問題が出て、息子が大統領府の文化担当事務官を辞任することになってから、彼女の精神不安定が始まったとされ、何についても不信感が増えたとか。
まぁ理解できますね。今回も大臣の交替が与党政党との話し合いがなく実施されたようですが、社会民主党PPDから新大臣の推薦があったと言うニュースも流れています。