(政治)

1) バチェレット
今週もいろいろありますよ。
世界で最も影響力を持つ100人の女性が発表され、トップはドイツの首相でしたが、南米からも3名が選出されました。ブラジル、アルゼンチンそしてチリの大統領でした。ちょうどその順でしたが、3名の実力と言うより国力の順のようですね。    
チリの風の読者から時々お便りがありますが、先週はそれが増えました。多分、チリで起こっていることに私と同じく興味を持たれているのでしょう。
しかし・・・私は粘りが少ない人間で、毎週同じようなことが続くと興味を失ってきます。もうどうでもよいという感じですね。
私の予想した通り、内閣大改造、国会での教書発表の後、彼女の人気は盛り返しました。支持するという人が27%から33%に。不支持が65%から56%に下がりました。
もっともチリ人も政界で起こっていることをちゃんと認識していないのですね。彼女(もしくはそのグループ)がやっている不祥事は、この先にもっとはっきり暴露されて彼女の人気はさらに下がるはずです。
私は彼女にこの後3年間の任期を務める力はないと考えますが、そうかと言って、左翼にも右翼にも次の大統領職を任せたい人がいません。つまりこのまま放置されるのでしょうね。バチェレットは人前では相変わらずニコニコ笑っています。
2) 政治資金問題
これってバチェレットの命運を握る問題ですよ。政府側は2013年3月にバチェレットが候補者になると宣言した以前の問題は彼女に何の責任もないとしましたが、その翌日、コメントを替え各自が責任をもって行動したに違いないとしました。与党内のDC党の議員がバチェレットの候補者宣言以前でも、現在の与党グループは準備活動をしていたわけで、責任をはっきりさせた方がよいのではとコメントするありさま。
前内務大臣はバチェレットに会うためニューヨークに2度渡っていますが、その費用はすべて例のマルテリから出ています。これって嘘の領収書を使っていたのでしたよね。
彼の所属していた社民党PPDは、一時は自党の花形としていましたが、最近は冷たい態度で彼の問題は彼に任せたいとか。ここで彼が前の税務局の長官の様に反政府の発言をすればもっと盛り上がりますね。
バチェレットを担ぎ出す委員会のメンバーは、その前内務大臣を含め20名以上いますが、彼らはほとんど全員がバチェレット政権に重要メンバーとして入り、まだ半数は政府内に残っています。
そのマルテリは今週、3日間も検察に呼ばれ、一日中尋問されました。不思議なことにその内容があまり漏れません。おかしいな、今までならすぐに訊問内容が分かったのに。
よほど重要なことをコメントしたのではないかと思われますが、最後には公表せざるを得ないでしょう。
3) ボリビアがチリ政府に抗議しました。今回の抗議は1904年の同意ではボリビアはチリの領土を使用して太平洋まで出て、輸出・輸入を自由に行えるとなっているのに、今回の税関ストで、荷動きが止まっているというもの。
もし同国がオランダの国際法廷に訴えていなければ、その抗議は理屈に合うが、同国とチリには領土問題について、1904年の条約を認めず、同意はないから以前のようにボリビアの海を戻せと要求しているわけで、中途半端な抗議はみっともない。
その税関ストは208時間続いた後、終了しましたが、1億ドル以上の損失(けた違いに額が大きいですね)が出たと言われています。チリの経営者は我々の努力が税関のストで粉々になるのは、いい加減にしてほしいとクレーム。
4) 中国の李首相はチリと280億ドルの投資とか 種々の約束を取り交わして帰国しましたが、その前にワイン工場を訪問しチリのワインを楽しみました。チリにとっても中国は主要な輸出先なので、首相訪問を大歓迎だったらしい。