(政治)

1) バチェレットの奮闘
しかし彼女もやりました。全力疾走の感じ。まだ舞台の裏は隠されたままですが、内閣一掃をやりとげました。    普通、この種の問題は大統領と内務大臣が作戦を練るわけですが、その大臣を(こっそり)飛ばすことになったので、彼と相談する可能性はありません。
では誰が彼女の相談を聞いたのか?与党の社会党PSや社民党PDDそしてキリスト教民主党DCなどとはネゴしていません。誰がバチェレットを後ろから操ったのか? 
全内閣の辞任を要請した理由はわかりました。彼女は自分の内閣のナンバー2と3の内務大臣、大蔵大臣を替えたかったらしい。しかし、それだけを実施すると、発足からたった14か月しか経過していないわけで、あまりにも自分の見る目が悪かったことを暴露するので全閣僚を入れ替えするとし、ついでにコチョコチョやったのでしょう。
しかしなんと9閣僚を入れ替えました。思い切った手を打ったわけです。世間はあっと驚き、バチェレット批判はあっという間に消えました。当分の間、5月21日に国会で教書を発表しますが、それまでは大丈夫です。
先週の水曜日にテレビ番組で閣僚入れ替えを発表してから、彼女は表舞台から姿を隠しました。そして公式行事として月曜日に閣僚認証式、火曜日に初閣議がニュースに出ました。そのあとの水曜日、1週間ぶりに下界に降りて、地区のスポーツ施設の開所式に参加。集まった人たちの要請で記念撮影に応じて、以前のようなニコニコおばさんに戻りました。
新内閣問題
新内閣の中で新政権をちゃんと動かそうとする改革派の動きと、自分たちの特権を維持しようとする保守派の二つの動きが見えます。
内務大臣を左のPSから中道のDC党員にしたのですが、この変化を左翼側は問題視しています。DC党員の内務大臣はこれまではやった「トラクターで道を整備する」という表現を「話し合って理解しあいたい」と変更したいとコメント。つまり穏健派が勢力を増したのかと内部でもめています。
大統領府の新長官が国税局の長官はその職にふさわしくないとコメント。新大蔵大臣が彼はその職にふさわしい力を持っているので辞任させるつもりはないときっぱり。先のバチェレットの確認を支持しました。
現政権の選挙資金を集める組織のリーダーのマルテリが検察に呼ばれますが、その彼と国税庁の長官、前内務大臣が組んでいました。つまり閣内でもすっきりしないわけです。  さらにそのマルテリとTVN国営テレビが交わっていたことが明らかになってきました。バチェレットの選挙資金集めに問題があったと彼女の競争相手のマテイがコメントしました。
各大臣の問題としては、新防衛大臣になったゴメスは前回の大統領選挙の候補者だった時にボリビアの海問題に関し、「私はボリビアに海を渡したい。それには領土の移譲も含まれる」とコメントしています。それを聞かれると個人の立場での発言と防衛大臣になった現在の私は明らかに立場が違い、現在はチリ国の代表として国土を守ると明言。自分の考えをあっさり変えたわけですね。男らしいのかな?
新文化大臣オットンは破産間際のアルセ大学に関係している共産党員で、その職にふさわしくないという疑問があります。閣内でナンバー2に当たる内務大臣をDC党員ブルゴスにしたことに対し、左翼側の反発がありますが、それを抑えるためにバチェレットは以前一人だった共産党員の大臣を二人にしました。
しかしこれらのことをすべてバチェレット一人が考え抜いたとはとても思えません。そのうち、誰が後ろで見守っているのか、情報が漏れ始めると思います。
しかしほんの2週間前まで内務・大蔵大臣は自分はバチェレット政権の中枢で、4年間の任期をしっかり勤め上げると考えていたわけですが、突然、自分の場所がなくなりました。 1週間たった今、茫然と過去を思いだしているのでしょう。大統領のスポークスマンだったエリサルデは、月曜日の新閣僚就任式の少し前にバチェレットの事務所に呼ばれ、更迭を知らされたとか。誰が飛ばされるのかと考えていたら自分だったと言うわけですね。震えたでしょうね、その時。
2) ペルーとの問題
ボリビアの海問題ですが、チリ・ボリビア両国のプレゼンテーションが終わりハーグ国際法廷の内部での討議に入ったことから大騒ぎはいったん収まりました。
もう一つの隣国ペルーとスパイ問題でもめていましたが、チリの外相はペルー大使と面談した後、当該問題は解決したとコメントしました。外交問題なのでどういう方式で解決したのか明らかになっていません。にこにこと握手していても本気なのか芝居なのかよくわかりませんね。
ところがペルーもボリビアに追随してチリとの領土問題を持ち出しています??アリカは昔はペルー領土だったというわけです。
3) 息子夫婦の会社の農地売買問題
やっと解決に向かいそうです。巨額の利益を上げた農地の売買ですが、買った方がだまされたと裁判所に訴え出ました。今回の合意は20億ペソの利益の半分を購入した会社に還元することで、裁判の取り消しをすることになったらしい。利益が少なくなっても世間の厳しい目から逃れる方がよいと判断したのでしょうね。この件を国会で討議している委員会でバチェレット大統領を喚問する動きがありましたが、大統領のイメージを傷つけるだけと与党側議員は否定。とりあえずこの合意で問題は消えます。どこかに問題は残るでしょうが。