(政治)              

1) 政治家不信
もうこの認識はチリで一般化したようです。新聞の論文欄に「私は知らなかった」と言うタイトルの文章が載りましたが、これで逃げられるとまだ政治家は思っているわけです。
バチェレットの選挙で資金集めを担当していた人間が疑われていますが、バチェレットは「もちろんその人間を知っているが、私の選挙の時の彼の役割は全く知らない」ホンマかな。 彼女の息子は農地売買の件で検察に呼び出されたとき、「妻の会社の取引で自分は全く内容を知らなかった。チリ銀行の副社長と面談した時も、自分は妻の会社のもう一人のオーナーが出席できなかったので、替わりに行っただけで内容は何もわからない」彼はその小さな会社で、母親の大統領から政府関係の仕事を与えられる前は部長をしていたのですよ。
バチェレットは前回の外人記者との面談に続き、今回はチリ人記者と朝食会。そこで彼女は「私はこの仕事を終えたら、もう2度と候補者にはなりません」と宣言。
私企業にでも入るのか、自分で仕事を始めるとか考えているのでしょうか。3回目の大統領は勘弁してほしいですね。上院会議の議長とかも。
火山の噴火を見るため彼女は大勢を引き連れて現地視察。視察しただけで評判が戻るとはどうしても思えないですが。
2) さて2か月前に専門家からなる委員会を設置し、現状をどう判断するかをレポートさせました。それが完成し、報告書の納入式が木曜日にありました。その時、バチェレットは「問題に適切に向かい合い、問題解決のための迅速な処置をとることが出来なかった」と自己批判したうえで、日曜日に全テレビの前で演説する予定でしたが、なぜか不発。
彼女の自己批判は全く飾りですね。なぜならその提出された報告書を一般に明らかにしていません。政財界の不法な事実を調べさせて、その報告書を秘密にするなんて神経がわかりません。
3) しかしもう与党内でも責任のなすりあいで、どう転ぶか分かりません。誰かに責任を取らせて、それで幕にするという手でしょうか。大臣を一人か二人首にして。
もちろん、真剣にチリの将来を考えるなら、そんなことではなく、政治・経済の両方で不法行為をしていた人間を裁判にかけ、有罪になれば刑務所に送ることです。これが明確になれば国民はバチェレットを信用するでしょう。
4) さて以前から問題になっている3大事件の経過ですが、ペンタ銀行関連では、留置所に入れられていた二人のオーナーが自宅留置に変更になり、家に戻りました。ピニェラ前大統領は彼らを訪問し激励しました。ピニェラもおかしな政治寄金に関連していた疑いがもたれています。一人だけまだ残されている元鉱山省次官も早く出してほしいと裁判所に要請中。ソキミチ鉱山の場合、30年近く社長をしていたポンセがその職を辞しました。彼はピノチェットの娘婿でしたが、「28年前、自分がこの会社を任された時、会社は破産寸前だったが、現在では世界のトップクラスの鉱山になったのは数字が示している」と誇らしげ。しかし経済と政治の両方を手に入れようとしたわけです。検察は同社の前責任者を留置所に入れるよう要請するらしい。同社は根拠のない支払いを過去に約2百万ドルも実施している由。ただ政治資金の援助の理由については明らかにされていません。
バチェレットの息子夫婦の会社の件で、元のアドバイサーが給料をもらっていないとその会社に巨額の賠償金を要求した裁判で、裁判所はその要求を退け、逆に裁判の経費50万ペソを彼に支払うよう命令しました。彼は裁判所の考えが全く理解できないと泣いています。バチェレットの息子は政府機関の仕事をしていましたが、その間に嫁の会社の仕事を後ろから助けていた疑いが出て、検察が調査中。まだまだ怪しいことが出てきます。
5) 韓国の朴大統領がチリを訪問。向こうのサムスン現代自動車の社長など150人が来智してチリの大蔵大臣や財界とビジネスフォーラムを実施したようですが、全く報道されませんでした。火山のニュースばかりですからね。もっとも日本の安倍首相が来た時もほとんどニュースになりませんでしたが。