(政治)

1) 政界スキャンダル
もうチリだけの問題ではなく、英国の新聞にもこの問題の記事が掲載されたとか。国際的になりました。
こんなに検察が頑張って政財界を調べまくるなんて今までなかったことですね。どうしたのかな、急に。
しかしこれで隠されていた問題点が一気に表面化したのは素晴らしい成果です。
バチェレットは新聞に「私は正直な人間です。地位を使用して後ろめたいことをするなんて考えたこともありません」 これに対し野党側の大統領候補だったマテイは「バチェレットは嘘つき女。よくそんな恥知らずなことが言えるものだ」国民の間に信頼感がなくなっています。誰も言い訳をして、しばらくしてもっとひどい証拠が出ると悪気はなかったとか付け加え。もうこいつらの言うことは信用できないと思い始めています。
先週までペンタ銀行、ソキミチ鉱山、息子夫婦の土地売買問題の3件が話題の中心でしたが、今週もそれぞれ動きが多く、それを全部書けばチリの風はパンクします。
ソキミチよりはるかに大きなコデルコ銅公社に検察の手が入れば規模が大きく変わってきます。ペンタの10倍も大きいチリ銀行もどこまで同じような不正をしていたのでしょうか。とどまるところを知らないという不気味な雰囲気。

2) なんと内務大臣ペニャイリージョもニセ領収書を発行した疑いが出ました。昨年は政府のナンバー2としてバチェレットを支える仕事を忠実に実行しましたが、どういうわけか今年に入って彼の仕事のレベルが下がり、ニュースを見ていても気の利いた発言が少なくなりました。何が隠されているのでしょうか。
彼は要請されたレポートを書いてその代金をもらっただけとしています。その書類を検察に見せれば1分ではっきりするのになぜそれをしないのか。マスコミは同じことを彼に問合せればよいのに。なぜ聞かないのかな?
それからこの種の事件が出はじめた段階で自分もこういうことがあると発表しておけば疑われる可能性が減少していたでしょうが、彼が隠しきるつもりだったのは悲しい。
バチェレットは起死回生の策として、選挙資金調達に違法があったと確認された場合、議員職をはく奪することを認める法案を国会に提出するとしています。国民の信頼を取り戻す策ですね。しかし国会議員が賛成するかな?
さらに与党側から選挙を前倒しにしようかとの意見もでている。国民の信頼を取り戻すためですね。私ならそんな奴らに入れるより棄権か白紙投票です。
最近の世論調査で最も将来性のある政治家としてマルコ・エンリケ・オミナミがあがっていますが、彼もソキミチ関連社から金を受け取っていたらしい。左翼の父をピノチェットに殺されている彼がピノチェットの娘婿がオーナーをしている会社に頼るなんて想像もできません。何を考えているのか?私は彼に投票していましたが、もうやめることにします。
また税務局の局長の仕事に問題があるとされましたが、最終的にバチェレットは彼を信任するとしました。
この日曜日の午後、大臣・各党の党首が集まって夜まで協議を実施とか。どうすれば問題が軽くなるかですね。
3) 外交問題
ベネスエラで大統領候補者とカラカス市長が政治犯として逮捕され留置されていますが、その二人の奥さんがチリを訪問し援助を要請しました。チリの元・前大統領(フレイ、ラゴスとピニェラ)が二人に会って応援を約束、国会議員も多く連帯を示しましたが、共産党はそれは内政問題で他国が口をはさむのはどうかと反対しました。ピノチェットの左翼つぶしの時は逆の立場で世界の市民に援助を要求したのですが。バチェレットは二人に会おうとはしませんでした。
ところでアルシス大学は新学年が始まっても授業が開始されません。これは大学が経営難で教授や職員に長い間給料を払っていないからです。政府はその大学をどうするのかについて、廃校にするのか経営陣を新しくさせて継続するのか、決定が遅れています。その大学はチリ共産党が運営に関与しているとかで、チャベスから多額の資金を受けていたとか。逆に共産党は政府の確固たる援助がないとクレームしています。  昨年、同じような問題で他の大学がつぶれ多くの学生に支障が出ています。
今週、汚職に反対する学生デモがありました。学生は教育の無償化などのほかに汚職反対も叫ぶのですね。
4) 政府・国会議員のほかにも問題が出てきました。サンティアゴの二つの区に調べが入り、区長・区議会議員などの家が家宅捜査されました。ごみ収集業者の選択のテンダーで不正があったからとされています。ホンマどこまで行くのかな。