(政治)

1) 北部の水害
ツナミには慣れたつもりですが、今回の水害は濁流が山から押し寄せ、一瞬のうちに大洪水になりました。ツナミと同じ現象でした。3州のコピアポとその周辺、2州のアントファガスタに被害が集中しました。
少しずつ川の水量が増えていったのではありません。濁流が一気に村・町に襲い掛かりました。つまりツナミと同じ現象です。小さな町や村が一瞬で姿を消しています。車や家を川が運び去ってしまいました。季節労働者が入っていたコンテイナーが川の流れに運び去られ、死者・行方不明者になりました。
なんでも通常なら3千メートル以上に降った雨は雪になりすぐには下流に流れないのにブラジルから入った暖かい空気のため、雪にならず雨になり一気に水量が増えたとか。 
コピアポなど通常の年間水量は15ミリほどなのにその日は1日で30ミリになった由。
14名の死亡が確認されたほか多くの負傷者・行方不明者を出しました。行方不明者の数はまだ確定されていませんが20名以上とか。被災者の数は1万1千人にもなっています。
バチェレットは現場に3日滞在し、被災者の慰問に当たりました。

2) 息子夫婦の不正問題から政治的に不安定な状態に置かれていたバチェレットは自然災害を理由に首都圏を離れました。前回、火山爆発の時と同じパターン。しばらくの間、災害問題がニュースのメインですから。
テレビの番組でこれを単なる時間稼ぎを見る声と、被災者との交流を深めれば一般市民が以前持っていた気さくなバチェレットのイメージが戻ると見る評論家がいました。
しかし避難地を訪れたバチェレットに被災者が「奥さん、頼むわ、私たちに嘘をつかんとって」と発言。これが新聞の見出しに掲載されました。かなり派手な警告ですね。 
彼女の息子と嫁さんの会社の問題は検察の手で家宅捜査が行われ細部まで明らかになっています。しばらく前は農地だったそこを宅地に変更するとして大きな利益を上げたはずなのですが、急に風が変わって、農地のまま据え置きということになりそうです。つまりそこを買わされた会社がだまされたと訴え出ているのが正しくなってきました。これが通ると息子夫婦は多額の借金に苦しむことになるわけですね。
まだあります。息子の嫁さんのお母さんが幼児教育関係の政府機関で働いています。そのお母さんの給料が2014年、2015年と急上昇しているがニュースになりました。何か怪しい?
3) ソキミチ問題で同社が13億6千万ペソの不正支出を行ったと発表しましたが、その関連で関係者12名が訴えられました。12名の中に国会議員やUDI党の雑用係り(何それ?)の名前が出ています。
似たような問題で現在のバチェレット政権の関係者が不正な収入を得ていたと調査が始まった由。もう野党側だけではありません。