(政治)

1) ペンタ銀行問題
刑務所に入れられた銀行トップの人間などを訪ねて列が出来たとか。取材陣も朝からたくさん並んでいます。収容された6名の容疑者の弁護士が刑務所でなく自宅待機に変更してほしいと要求したところ、そのうち2名だけが自宅収容に切り替えになりました。残り4名はそのまま刑務所生活です。 
経団連のトップがこうした事件関連で、訴えられた段階で、メンバーとしての資格を凍結し、有罪になった場合、辞任してもらうことを検討中と発表。
これに続いてソキミチ鉱山問題が継続し、さらに他の会社にも飛び火して同じようなケースも出てきそうとか。チリ政財界の大地震ですね。
国税局がソキミチに関して検察の捜査を妨害するような動きを見せているらしい。最近好調の検察が、野党側を攻めるのは構わないがそれが与党側に回ってくるのを警戒しているのでしょうか。

野党の最大政党UDI党の党首シルバが辞任しました。彼もこの問題で疑惑がかかっていますが、それだけでなく党内のひずみが大きく責任を投げ出した様子。党首になってからわずか10か月のことです。ピノチェットに最も近い政党として古株の人間が権力を握っていましたが、世代交代をしなければ党の将来はないとして若手のシルバが出てきたものの、古株が「転換」しようとするのを嫌がらせして妨害したのでしょうね。詳しいことは漏れてきませんが。
この先どうなるのかな、UDIの未来は。
チリの風の読者から最近のチリ政界の動きは面白いですねと言うコメントを頂きましたが、書いている私がドキドキしています。いったいこれはどこまで行くのだろうと。
バチェレットは各界から人材を選び、こうした問題にどう対処するのが正しいのか意見を聞くことにしました。4月末にはその委員会の結論が出そうです。
2) バチェレット息子夫婦問題
先週のチリの風に、来週はこの問題が大きく出ますと書きました。彼らの立場に立つと「何を言われてもじっと我慢。とにかく風が吹き去るのを待つだけ。金があるから欧州に逃げるなどは考えず、チリの中でひたすら目立たないように生きる」が正解と思っていました。何しろ5億円と言われる金を持っているわけで、将来の不安はありません。
しかし私の読みは間違っていました。彼らを訴えて二つの訴訟が起きました。一つは彼らから土地を買った会社がだまされたので契約をなかったことにしてほしいというもの。もう一つは野党RN党から提出された販売の不正問題です。
最初の裁判に負けると5億円の利益はなくなり、手元には15億円の借金が残ります。つまり毎月巨額の金利が出ていきます。これでは目立たないように生きていくなんかできません。
裁判所は最初の訴えは受理しましたが、2番目の訴えは留保されました。マチャリ区役所の人間が内部情報を流していたという事実が確認されたらその裁判も始まるのでしょうね。
息子はしばらく人目に付かなかったのですが、少し前まで働いていたモネダ宮殿に、やり残しのことでもあったのか、現れました。そこでテレビ局の人間に捕まると、話することなどないと早足になり、さらに質問されると馬鹿野郎と怒鳴って自分の車に入ったとか。まだ若いな。