(政治)

1) ペンタ銀行事件
銀行から金を回してもらって選挙資金にしたというのが問題の根幹ですが、チリの銀行の中でその銀行はわずか2%のシェアーしかない小型銀行。それならもっと大きい銀行はどれだけ議員に金を渡しているのかな(ばれないように)?
社会党の党首がUDI党はペンタ銀行の一部門のようだと厳しいコメント。UDIの議員は銀行オーナーの都合のよいように働くからと。しかし、しかしですよ、その2党の党首が集まって選挙資金の供出をどうすればよいか話し合ったらしい。いつもの通りですかね。人前では罵り合っていながら、その晩にどこかのバーで、今日は派手に人目を集めたねと言いつつ酒を飲み、そして握手して別れる。
なんでもその銀行が売りに出るという噂も。今週にもその発表がある由ですが、早いうちに原価でも売ってしまえば、それを基に新しい商売ができますね。
この事件に関連して、検察がさらに新たな人間の訊問をすると発表しています。 同銀行の二人のオーナーは、彼らは容疑者ですが、国会議員候補者の99%は選挙委員会に届け出している資金援助のほかに、違法に入金しているとコメントしています。これが徐々に明らかになっていくわけですね。
一方、バチェレットの豪華ヨットを使った募金収集問題を取り上げる声は急に小さくなりました。政府が新聞・テレビ局に、そのうち問題をはっきりさせるからそれまで報道は抑えてくれと頼んだのでしょうね。
UDI党は大統領攻撃の手を休めて、共産党議員がフランスで資金集めをしたのをついています。まだまだネタは隠し持っているのでしょうね。

2) 外交
ボリビアのモラレス大統領がまた任期を伸ばしました。3期目に入ります。ベネスエラのチャベスみたいに死ぬまで大統領をするつもりでしょうか。ブラジル・エクアドルなど各国の大統領がその就任式に参列しましたが、チリのマスコミではほとんど報道されませんでした。チリ人がボリビア嫌いはわかるけど、隣国大統領の就任を無視するなんて。
その式にはもちろんベネスエラの大統領マドゥロも来ていました。ピニェラはメキシコの元大統領などと組んで同国を訪問中で、反政府側の人間とコンタクトしています。マドゥロ軍事革命を起こそうとしているのかと怒り狂っています。しかしベネスエラに住んでいる人は商品不足で毎日の生活が大変です。チリでもアジェンデのころのにそういうことがありました。チリの新聞にマドゥロとアジェンデの比較の記事が出ていました。産業の国有化、アメリカとの関係、一般市民の生活への影響など。さぁどうなるかなベネスエラの将来は。
ところで世界各国の透明度ランクが発表されましたが、チリは15位でした。上位3国は英国、米国、スウェーデンでした。
日本はチリより下の19位。田中角栄の時代から日本の政治はおかしいですね。確かに事業の面でもアメリカは談合を嫌がります。きっぱり拒否します。すばらしい。日本の会社は逆にどこでも談合の常連でないでしょうか。 
今週のニュースで一番驚いたのはアルゼンチンの検事死亡事件でした。大統領を公然と裁判沙汰にしようとする勇気がすごいですが、不可解に死んでいったのはどう説明されるのでしょうか。アルゼンチンは実に不可解な国です。
3) 貧民層の縮小
2013年に行われた調査の結果が遅れに遅れてやっと発表されました。新旧二つの方法で検討されていますが、いずれのシステムでも、貧困層は縮小しています。まだ15%くらいはその中に入るらしい。
しかし問題は貧富の差で、上の10%の高給取りは下の10%の貧民層の27倍の給料を受け取っているとか。テレビの番組に毎日のパンを買う金がない時もあってとコメントする主婦がいました。
4) 新厚生大臣の任命
3週間以上空席だった厚生大臣が決まりました。カルメンカスティージョという女性です。どこの政党にも属していないとか。今まで各地の病院や厚生施設の理事を務めていた由。早くチームの中に入って、張り切って任務にあたりたいとコメントしました。