(政治)

1) バチェレット
スペイン訪問中(週末に帰国)のバチェレットは向こうの財界代表と面談した時、新税法システムについて質問を受けました。彼女に同行していたチリ経団連会長は、「チリ政府の間違った政策のおかげで、どこに行っても厳しい詰問を受けるが、それはチリ財界の私たちの言いたいことと同じだ」と批判を繰り返しています。その彼を同行させる政府の考え方がわかりません。もっともスペインってチリ以上に汚職のひどい国ですが。
政府内の不一致を問われた彼女は、与党の「新大多数」グループは大きな考えで連帯を深めていると説明。
もっともチリから野党側が「ドイツに行って、向こうの政府に教育改革について釈明し、スペインで新税法について釈明。何しに行ってるの?」とコメントされています。
教育問題で、バチェレットは現行の学校を閉鎖させるなどあり得ない、したがって現在行われている反教育改革のデモは、恐怖心を植え付けるための反政府運動だと批判。今週も学校関係者やPTAのデモが各地であり、サンティアゴでも数万人が参加していますが、その人たちが政府の改革案を知らずにデモしているわけはなく、その「恐怖」を蒔いたのは政府ではないですか。そのデモとは全く逆に政府にすべての原案を実施するように要求するデモも準備されています。野党側はチリをべネスエラやキューバのようにする要求と拒否反応。
さて教育関係に投資をしている党員が多いDC党は教育を利益の対象にさせないとする社会党などと対立するのは無理はないですね。つまり政府内で揉めているのに、一般市民を勉強が足りないと批判するバチェレットには無理がありそう。
教育の無償化と並ぶ、大きな柱は入学試験の中止ですが、定員以上の入学希望者があれば、生徒の選択を宝くじのような方式で、希望者の前で数字を書いた丸い球を瓶の中から選んでいます???。
さらに付け加えると、近年の学力テストの結果ですが、8年生(日本の中2)の3分の2の学生は小学5年生レベルの算数しかわからないとか、国語(スペイン語)でも同じく40%は小学生レベルと心配される低さらしい。政府の考えていることと教育の実態はかなりずれがありますね。
カトリックに対するプロテスタント(新教)の代表が「教育の無償化と入学試験の廃止が教育の向上に貢献するかどうか分からない」とコメントしていますが、それが普通の考えでしょうね。
10月31日はプロテスタントの祝日でしたが、その集まりで代表が(大司教というのか、タイトルは知りません)「政治家は選挙の前になると票を求めて私たちに近づいてくるが、そうでなければまったくコンタクトがない。最近、幼稚園で「ニコラスには二人のお父さんがいる」という雑誌を配布しているが、ゲイの父親を認証する政府案は私たちには受け入れがたい」と苦い表情。