(政治)

1) ペンタ銀行問題
派手に騒いでいます。問題は二つあって、一つ目はその銀行が偽の領収書などを発行して経費を増加させ、税金を払っていなかったという経済的なもので258枚の虚偽の領収書が発見されています。もう一つは、その金が選挙資金に回っていたという政治的なものです。         
疑わしい政治家の大半が最右翼のUDI党の議員ですが、予備選挙でバチェレットに次いで2位になった現与党側のべラスコもそこから資金を得たといわれ、彼の自宅に警察が入りました。前サンティアゴ区長サラケットの事務所にも警察が。さらに現在の公共事業省の大臣もそこから資金を得たと言われましたが、彼はテレビカメラの前で、金をもらったのは正しいが、それは彼らに頼まれたコンサルの仕事をした報酬で選挙などとは関係ないとコメント。
国会で特別委員会を設置して調査するとか。社会党の党首アンドラデはこれで私たち全員が汚れたイメージを与えることとコメント。べラスコが被害者のような発言をするのは認めがたいと厳しいコメント。
新聞の投書に、この問題は今回が初めてではなく、たとえば2005年の選挙で与党側のジラルディが不明朗な資金を受けたことがわかっても彼は有罪にならず、現在も国会議員をしているとありました。その通りですね。右も左も政治の世界は同じようですからね。まだこの問題は紆余曲折しながら続きそう。
同銀行の元重役が取り調べを受けていますが、彼は自分から離職したと言われるのに、逆に不当解雇として銀行を訴えました。新聞社とのインタビューで刑務所に入るのが怖いと医者にかかっていることを明らかにしています。重役の身分と牢屋の中では確かにえらい差がありますね。
2) 新税法
経団連と政府が激しくぶつかりはじめました。「民間が真面目に働いて正当に稼いだ利益を、例えば教育や厚生関係などで、疑問視する政府だが、自分たちの収益は問題にならないのか」と経団連会長のサンタ・クルスが発表。政府側からもう少し慎みのあるコメントができないかと軽い逆襲。与党側から目立ちたいだけだろうとか、自分のイメージを汚すだけだとの意見が出ました。いやはや。
3) 教育改革案
私立の学校が40校以上もこのままでは学校経営がなりたたないので閉校を考えざるを得ないと公表。これに対して政府側は何らかの誤解があるようだとコメント。これが実施されると3万人以上の生徒に影響が出るらしい。
ある学校長は、「この学校は38年前に誕生し、480人の生徒を抱える。自分の命のように大事にしてきた学校を政府が買い上げて私たちを追放するような案を知って、私の母は毎日泣いている」
アリカからプンタ・アレナスまで全国に24校もあるドイツ人学校はこの改正で自分たちの学校がどのような影響を受けるかドイツ大使館と一緒に検討中とか。この教育法に反対する学校側のデモが実施されましたが、全国各地で万人単位の大きなデモになったらしい。生活が懸かっていますからね。逮捕者なしでした。