(政治)

1) 内憂
私と違ってバチェレットは楽しくない毎日でしょうね。先日、与党側の元教育大臣が教育法改正にクレームを入れましたが、大きなダメージにはなりませんでした。そして先週のピニェラ前大統領の批判は次回の大統領選候補者のコメントだろうと軽くバカにしましたが、今週はなんと与党側の元大統領ラゴスがバチェレットの現行政策ではうまく回らないと本格批判。彼によると公共事業などは過去8年間、動きが停滞しているとか。地下鉄も循環道路もほとんど進展がなかった由。つまり第1次バチェレット政権とピニェラを批判しているわけです。その前の大統領は彼だから、「私以外にはチリをうまく経営できる大統領はいない」と言うことですね。
その後に新聞のインタヴューで教育問題や病院経営についてもきつい批判。これは笑ってごまかせないので、かなり本格的に今までの方針の変換を迫られそう。社会党の党首はしっかり御意見を検討したいと批判に同意しています。
もっとも政府側のコメントは、現在の公共事業省大臣のウンデゥラガは今年は過去10年で最も高い数字の投資を計画していると発表していますが。
今年度の国民総生産は2%を割りそうで、それを活気づけるため来年度の予算は2009年以降で最大の伸びになる見込み。借金をして投資に充てると言うのはアメリカも日本もやっていることですが、借金はいつかは払わないといけないことを忘れないように。
先週、政府に馬鹿にされたピニェラは道を変えて歩き始めました。先の大統領選挙で出馬したPRI党に接近し、次回の選挙で共同歩調することを約束させました。裾を広げる作戦ですね。
ペルーとの国境問題ですが、ペルーが例の3角地帯を自国領土と宣言し、そこに向かってデモ隊を送り込むとしたので、チリ側は警察が全力で阻止を図りました。違法に侵入すれば全員逮捕、国境地帯の地雷に触れてデモ隊員が死亡することもありうると警告。ペルー最南端のタクナ市からデモはありましたが、その三角地帯には侵入せず大きな問題にはなりませんでした。
チリもこうしてペルー・ボリビアと国境問題を抱えていますが、まだ問題は軽いですね。中東の混乱は本当に収拾ができるのか分かりません。先年、欧米諸国はシリアのアサド政権を人権を無視する政権と、オバマは爆撃を示唆するまでに至りましたが、今では全く逆に同胞としてイスラム国と戦おうとなっています。理論とか常識なんかないのですね。昨日の敵は今日の友、コロコロ変わる戦略は素人には理解できません。もっとも私がいつも思うように、オバマは誰か彼の上に位置する人間(もしくは組織)の指示を聞いて動いているだけなのでしょう。ちょっと前に「お前を追い出す」とわめいていたのが、今では「お前を援助するぞ」と言うのですから。