(政治)

1) バチェレットのアフリカ外遊
最後の訪問国アンゴラはアフリカで有数の石油産出国ですが、この訪問で来年度の石油買い付けを現在の3倍(3億ドルから9億ドル)にすることで意見が一致したとか。そうか、それを目玉にアフリカ外遊をしたのか。
アフリカはエボラ熱で大変ですが、その他にも問題は山積。ところで欧州もウクライナ問題はまだまだ続きそう。ロシアが欧州対抗策として農産品の買い付けを制限し、南米からの買い付けを増やすとしています。スペインの新聞によると欧州は対ロシア政策にどうして南米が協調しないのかと批判しています(特にアルゼンチン)。アホと違う?そんなことどの国も自分の判断でやるでしょう。アメリカの作戦でアルゼンチンをデフォルトにして、欧米支配を強めようとしたらBRICSグループは違う方向に行くのは当然。
チリ関連ですが、ノルウェイが鮭をロシアに売れなくなるとそのオーダーはまっすぐチリの会社に来ているでしょうね。
しかし素人の私が理解できないのはどうして原油価格が上がらないのかということです。イラクがまだ何とか安定していた時に将来の不安を材料として原油価格上昇がありましたが、現在は最悪の事態なのに原油は100ドルを割って安定?  フランスがそのイラククルド族に武器供給をするそうですが、クルド族は政情不安定なトルコにも多く存在し、イラクで独立すればその運動の飛び火は避けられません。何を考えているのかな?                    シリアなんか、政府軍、反政府軍イスラム国軍と3つの部隊が闘っています。同じイスラム教なのに。                  「イスラム国」はその戦いを中東だけでなく世界に広げるとしていますから、それが中国のウイグル族につながれば世界問題になるのは間違いないですね。しかし世界の動きを予測するのは素人には難しい。
2) 選挙制度
下院で新制度の導入が決定。投票は86対28でした。上院に送られて最終決定します。今まで右翼を攻撃するときにこの問題が取り上げられましたが、左翼もその地区で候補者になれば当選の確率が非常に高いので改正に力を入れなかったのは事実でしょう。これで得票が多い候補が勝つと言う正常化が達成です。議員数を増やすと言う追加事項はどうなるの?
所で、他の問題事項の新税制で酒・たばこ・新車などに現在より高い税率が付加されますが、与党側のDC党と野党側のRN党が共同案を提出すると協議中とか。
以前から与党内でDCが孤立、野党側ではRN党がもっと右のUDI党とうまくいかないのですが、中道のDCとRNが合体して、政党グループを左翼、右翼、中道の三つに分立すれば無理が少なくなります。
左翼側で独立大統領候補だったエンリケ・オミナミは現与党グループ「新多数」を組織替えして「新・新多数」にしたいとコメント。彼のアイデアにはどのグループが入ってどのグループが出るのかな?
3) 教育改革 元教育大臣エイルウィン(元大統領の娘)はチリ各地で講演し政府の教育改革案は一般市民の声を反映していないとコメント。社会党党首は彼女は野党の人間かと厳しい批判を浴びせています。
今週、一般市民の声として発表されましたが、「大学の無料化は不必要。貧乏人はともかく金持ちの息子の費用は親が払えば良い」というのが大多数の声です。また半公立学校を政府が買い上げて公立学校にする点も、「それは不必要。うまくいっている学校の組織を変更する必要はない」
なんだか野党側が言うように、一般市民の声と政府案はピントが外れていますね。
教育の無償化には大きな資金が必要ですが、一般市民は上記のように不必要な点に税金投入は止めて、まだまだ不安定な医療(特に救急医療部門)にそれをつぎ込むように要求とか。
ところで長々と続く今回の教育改革案の中に体育振興は全く出てきません。チリ教育にスポーツはありません。児童・生徒でスポーツをしているのは30%(そのうち本格的に実行しているのは10%、軽いスポーツが20%)残りの70%は全く運動をしていません。その結果、チリの肥満症は増加するばかり・・・。そんな簡単なことがなぜわからんのかな?
4) 政治家の人気度
26名の政治を選び、市民に良い印象を持っているか、その逆に悪い印象を持っていくか問い合わせました。人気のある順番はトップがバチェレット、次いで前の大統領選挙の候補者だったべラスコ、そしてイサベル・アジェンデエンリケ・オミナミでした。ひどい評価を得ているのは、下から順にPPD党、UDI党、社会党共産党の党首でした。どんな気持ちでその党首たちはこのニュースを読むのでしょう。「そんなもの。意味ねーんだよ」と言うのかな?
バチェレットの人気が抜群です。彼女の政権を77%が支持、前のピニェラ政権はわずか37%でした。
なんで彼女がそんなに人気があるのか、分かりません。上記のように彼女の推し進める政策(教育問題など)に国民は反対しているのですからね??新聞にバチェレット人気について論文が掲載されましたが、それによると彼女の人気は政策によるものではなく彼女の個性・人格つまり個人の人気で国民は彼女を慕っていると言うもの。そうでしょうね、大統領と言うより感じの良い隣のおばさんと見ているのでしょう。
2018年の大統領選挙の候補者は与野党ともにこのリストの中から出るはず。この市民調査は年末に再実施されます。