(政治)

1) BRICS会議
日本ではあまり大きく取り上げられていないようですが、こっちではかなり注目されました。その会議に並行して全部でラテンアメリカ16国のトップがブラジルに集まりました。
バチェレットは反アメリカ色の濃いこの会議では目立ったことはしなかったようですが、中国・ロシアの代表と会議を持った由。ただビリビアのモラレスは無視したとか。
BRICS参加国は多くの貧民層、つまり貧富の差の問題を抱えていますから、他国の援助をする余裕があるのかと言われそうですが、BRICS共同銀行が発足しそうで,大躍進。
ウクライナでのマレーシア機の墜落問題は悲惨ですね。そのルートをプーチンの乗った飛行機がほとんど同じ時間に通過しているので彼を狙った襲撃とか、親ロシア系の部隊が飛行機撃墜のメールを出したとか(それは音声合成のガセとも言われる)、全く逆の方向の情報が錯乱しています。昔ソ連の時代に、そのあたりを旅したことがあります。のどかな田舎の雰囲気だったのですが、今は混乱の極みですね。しかし毎日の生活を楽しめるのはいかに幸せな事かわかります。
イスラエルパレスチナが争っています。私は若いころイスラエルキブツで約1年働いています。さてサンティアゴで土曜日、パレスチナ系人デモがありました。なにしろパレスチナ以外の地で彼らが一番多く住んでいるのがチリですから。
ところで世界の富裕国の上位を占めていた日本が最近の調査では風がおかしくなり、人口の6割が自分の生活は苦しいと思っているらしい。また相対的貧困層、何か意味の分かりずらい言葉ですが、過去最高の16%まで上がり、年々苦しくなっていることが証明されています。20数年前の1988年より最近の収入は低いとかで、無理もないかな。
その日本から安倍首相が来週チリを訪問するようですね。バチェレットとどんな会談をするのでしょうか。日本はチリに取って命綱の鉱山に大きな投資をしています。しかしチリの鉱山は産出量を維持・上昇させるため大きな犠牲を払っています。それは鉱脈・エネルギー・水・人件費と問題が多いからです。昔は含有量が1%に満たない鉱脈は放置されましたが、現在では0.5%以下でも採掘が開始されるとか。厳しい。
2) エイサギレ教育大臣は元学生運動のリーダーだった若手国会議員を集め教育改革について話し合いました。向こうからの挑戦に乗ったわけですね。これがまた問題になっています。税法改正の時に政府は一部の議員としかネゴしなかったと言われますが、教育改革についても同じやり方をしているのではというわけです。
それに街頭の声は聞かないと発言してクレームを受けた教育大臣は学生代表と面談を持ち、学生の意見も改革に反映させるとトーンを変えました。
教育を利益の対象にさせないとか、学校側に生徒の選択を認めないとか、今までと大きく違った方向に国の方針をもって行くのは簡単な事でないのは明白。その彼がどういうわけか、5年生のチリの大学で4年までは無料化の方向にしたいと発  言。意味不明です。内務大臣はまだ詳細は決まっていないから彼のコメントも検討したいとこれまた意味不明の発言。
与党内でも、このまま支離滅裂が続けば教育大臣の変更もありうるが、それは現行の改革案の終焉にもなりかねないと危惧感を示しています。
さらに国会議員選挙の正常化に関しても問題継続。自分の席を確保するため上下院議員側は増員を主張していますが、議員数が増えても予算は増えないので、各議員が受けとる給料・経費は大きく下がります。それをどうするか薄汚い戦いが続いているとか。悲しい現実。