(政治)

1) 人事問題
バチェレット内閣の人事は全くいい加減ですね。先週問題になった地方首長レベルの人選で4名に疑惑が出ましたが、全員辞職しました。もちろん辞めさせられたわけですね。しかしこれでもう10名以上、アホな辞め方をさせられていますから、各政党から推薦のあった候補者を政府が適正なチェックをしていないことが証明されています。
どこの国でも大統領の奥さんをファーストレディとして特別扱いしますが、バチェレットの場合、こどもは何人もいますが、現在結婚していないので、彼女の息子をその職につけました。これからどこに行くときも息子を随伴するわけですね。なんと言えばよいのでしょう、良かったね。
2) キリスト教民主党DCと共産党
教育問題で政府内で混乱があります。共産党議員で元学生運動のリーダーだったバジェホがDCを批判。DC党首は若い彼女はこれまでのいきさつを知らないのだろうと軽くかわしています。もちろん、それで終わるわけはありません。
この土曜日、第1回の学生デモが実施されましたが、主催者側の発表では18万人、警察側は2.5万人の参加者とか。42人の逮捕者がありましたが、大きな混乱はなく終了しました。
共産党はこうしたデモ隊に大きな影響力を持っているので、バチェレット政権にも彼らは強く出ることができるわけですね。
来週、青年闘士の日が来ます。反政府運動の青年が警察に射殺された事件を記念するわけで、夜になると銃を持ったグループが出て警察とぶつかります。
3) 新法案
大統領はバチェレットに変わったばかりですが、同性間の結婚を認める動きが活発になっています。それにマリワナの合法化も。一気に新風が吹き始めました。外国に住むチリ人の投票権問題も進展中です。私はチリに住んで、ここの選挙で投票していますが、在外投票として日本の選挙にも参加しています。同じことをチリもやろうとしているわけですね。
4) 不平等
バチェレットは大統領就任式の演説で私の在任中に貧富の差を現在より縮小したいとしました。OECDの発表ではチリが参加国中、最も貧富の差が激しいとなっています。2011年の調査ですが、過去1年間でお金が足りなくて家族の食糧が十分に購入できなかったことがあるかという質問でイエスと回答したのは他国平均は13%、チリは28%になっています。
ジニ係数で言えば、チリは0.5、次いでひどいのがメキシコ0.47、トルコ0.41、アメリカ0.38.日本は0.34です。
確かに外国から来た人がサンティアゴのラス・コンデス区を歩けば、欧米と全く遜色ないと思うでしょうが、西南部の区ではこの国は貧しいと実感するはず。同じ国の同じ街ですが、それほど差があります。
5) ボリビアの海
今日はボリビアで海記念日でした。モラレス大統領は1970年代の軍事政権の時にピノチェットがボリビアの海問題を解決しようと努力したのは良く知られている。21世紀になって社会党政権ができたのだからチリはボリビアとネゴを開始すべきとし、来月、ハーグの国際法廷にこの問題を持ち込むことを表明しました。
6) ピニェラ動向
前大統領のピニェラは元の部下を率いて南部のタンタウコ公園に向かいましたが、長いトレッキングで怪我人が一人でました。なんとそれがピニェラでした。転倒してけがをし、病院に運び込まれました。長い激務で心身ともに疲れていたのでしょう。
世界富豪ランキングに入るほどですから、彼は楽しく将来のプランを立てて、風が来れば次の大統領選挙を目指すのでしょう。新しい組織「チリ前進」を作ってその総裁になりましたが、まずペルー訪問からその仕事を始めるとか。