(経済)

1) チリの財政問題
2013年の数字ですが、国の債務は340億ドルです。その内訳は国内が85%、外国からの負債が15%とか。これはGNPの12.5%にあたるらしい。2008年の債務は70億ドル(その年のGNPの3.9%)でしたからわずか5年で約5倍。チリも放漫経営の傾向ですか?
2) チリペソの下落
1ドルが550ペソまで落ちましたが、これは2009年以来の数字。銅の価格は順調でチリ経済に大きな問題はないのですが。ペソ安で夏のバケーションに海外に行こうとすると昨年より2・3割高くなっているらしく、それなら国内旅行にしようかと言う声もあるらしい。もっとも輸入品のガソリン価格が今週下がりました。なんでかな?
しかし通貨の下落はチリだけのことでなくトルコなど新興国の通貨がドルに対し軒並み落ちています。この原因になったと言われるのはアルゼンチンで、デフォルト寸前と言われる経済はハイパーインフレ、暴動、停電、異常気象と重なり最悪の状況のようです。しかし他より強いと言われるアメリカ・ドルですが来月、再度デフォルト問題を抱えています。昨年は政府機関の閉鎖まで行きましたが、その後、問題を先送りしてちゃんとした結論を出しませんでした。いつまでもその手は使えないでしょう。そのおかしなドルが強いなんて素人の私にはとても理解できません。
さて金市場が不可解な動きをしているのは数字を見ればすぐわかりますね。2011年後半にオンス当たり1900ドルを超え2000ドルが近いと言われたのに、その後急落しました。
その犯人が分かってきたようです。FRBアメリカ連銀は金価格が上昇するとドル、アメリカ国債に危機が起きうるとし、米欧金融界と組んで空売りを浴びせたらしい。その後の数字が彼らの作戦成功を示しています。
しかし2012年に主要銀行間でLIBOR金利の不正操作が暴露され、大きな問題になりましたが、この金市場の不正操作が明らかになれば誰が責任を取るのかな?アメリカ政府・中銀の間の電話・メールも誰かがチェックしているでしょうね。将来それが外に漏れる可能性はありますよ。
中国はその間も金を継続して購入しましたが、欧米に預けず すべて本国に送付したとか。つまりこれから金融危機が起こって金価格が急騰したとき、いくら帳簿上で金の所有をしていても、中国以外の国の手にはほとんど金は残っていないという可能性があるとか。こんなニュースは日本では流れませんね。
ついでですが、今週、スペインのエル・パイス新聞に歴代の中国共産党の幹部の不正がなんと数ページも使って報道されました。カリブの島に偽の会社を作ってそこを経由してのいかさま仕事。そういう情報が大量にリークしたわけです。同じニュースをチリのラ・テレセラも1面で報道。しかし日本ではほとんど流れませんでした。
金市場の話でもこの幹部の不正問題でも、日本のマスメディアの動きは不思議ですね。
3) 港湾労働者のスト
23日のストの後、やっと政府・労組の間の合意ができました。
もっとも労組のほうは同意ができても正式サインがなければスト終了にはならないとしています。月曜日から輸出が始まるかな?果実関係だけで損出が2億ドルと言われています。
これはピニェラ政権の最後を汚しました。政府の無策の見本みたいでした。バチェレットはどう対応するかな?
果物を輸出できない業者がサンティアゴ中心部で無料で通行人に果物を配布して喜ばれていました。
4) エネルギー問題
水力・火力でもそのほかの発電でも、チリの場合は将来のエネルギー不足と世界トップクラスの高い費用が問題ですから、次の政権のもっとも重要な課題の一つになっています。アイセン水力発電ダムがどうなるかが最大の課題ですね。