(政治)      

1) 政府と司法の争い
ピニェラはことあるごとにチリ司法の不甲斐なさをなじりますが、もちろん向こうもピニェラを嫌って、次の大統領バチェレットにすり寄ります。今週もマプチェ関連の裁判が結審しました。先年、警官が殺された事件で逮捕されていたマプチェの人間を釈放しました。内務大臣は全く不可解とし、十分以上の証拠があるのになぜ釈放するのか、上級裁判所に望みをつなぐと司法とのいざこざを繰り返しています。
素人の私はそれに口出しする権利はありませんが、政府が言うように十分な証拠があるなら刑務所行きだろうし、釈放されたのなら容疑は薄いのでしょうね。検察側も裁判官は決断力がないと?クレームしています。
しかしマプチェの件は連日話題になります。何しろチリ南部は自分たちのものだとする彼らの理論では、彼らは他人の土地に入って乱暴狼藉しているのではないですからね。自分たちの土地を守るための警察との戦いと言うことになります。政府内でこれが続けば現在問題が起こっていない地区にまでマプチェ問題が波及すると心配しています。
ところが市民調査で政権末期のピニェラの人気が上がってきました。もう遅いと言うべきか花を飾ってお別れすると言うのか。
2) RN党の危機
同党の国会議員3名が離党届を出しました。もう一つの与党UDIのメンバーと面談。これは右翼側の第3党としてUDI,RN 
と組むことを明確にしながら、RN党の束縛から逃れるのが目的でしょうね。小さな党でも自分の思うように動かせるのはたまらない嬉しさでしょうね。まさかこの小党の党首にピニェラがなるのではないでしょうね。
3) ペルーとの領海問題
ピニェラが元大統領を招待してあと10日ほどに迫った国際法廷の最終結審について話し合いました。その後の記者会見でフレイはすべて現政府の問題だから、もし万が一、一部でも領海を奪われればピニェラの責任と厳しいコメント。あわててピニェラはこの裁判が始まったのは自分の政権時ではなくその前のバチェレットの時だから、すべて自分の責任と言われるのは納得できないと予防線。政治の世界はそんなもんです。フレイはピニェラと大統領の席を争って負けましたからね。