(政治)

1) 大統領選挙
選挙は来週に迫りましたが、とうとう最後まで選挙運動は盛り上がりません。誰も興味がないという顔をしています。 この選挙について評論家が、1次選挙で左翼のバチェレットが勝ったほうが、右翼にとって都合がよいのではないかとコメントしました。彼によると、1次選挙でバチェレットが51%、マテイが26%、MEOとパリシが9%ずつ、その他が5%とすれば、1次で選挙は終わります。しかし右翼側にすれば、パリシに食われた9%が痛かったという結論になります。ところがバチェレットが50%を取れず、2次選挙になったとします。その結果バチェレットが70%、マテイが30%で終わるような大敗になってしまえば、右翼側は面子丸つぶれで、そんな選挙はないほうがよいとなるはずだというわけです。確かに言えてるかもしれませんね。
ピニェラは「バチェレットの公約ではチリの将来は暗い。経済の成長はないし、失業率は増える」とコメントし、野党側から馬鹿にされています。(でも統計的にはピニェラ現政権のほうがバチェレット前政権より経済的な数字は上です)
ピニェラは4年前に選挙戦に出たとき、「バチェレットは犯罪を抑えられなかった。自分は警察を増やし、市民の安全を守る」と公約。4年立った今、以前と同じ状況で、彼が失敗したのは誰の目にも明らか。そこでマテイは自分の政権では犯罪者が笑っている余裕は無いようにするとピニェラと同じ公約。
ピニェラは立場が無いので、「それは裁判所が悪い。彼らは犯人が逮捕されてもすぐに釈放してしまう。回転ドアと同じ。つまり問題の根幹が司法にあるのははっきりしているからどこかの機関が各裁判官をチェックする必要がある」コメント。司法側は「政府側がそんな程度の低いクレームをするのはどんなものでしょう。三権分立といって、政界と司法界は全く分離されていますよ」とあまり驚いてもいない様子。
先週パリシがマテイを裁判所に訴え出ましたが、裁判所は裁判にするほどの事項ではないと却下。一時、マテイを追い抜く勢いを見せたパリシは完全に2位争いから脱落。
笑ってしまうのは、前回の大統領選挙までは国民総投票で、投票は義務でした。ところが今回から日本と同じの自由投票。それをバチェレットは以前の義務制に戻したいとコメントしています。政治家は、政府も国会も何を考えてるのかな?
2) ピニェラの財産
ピニェラの財産が急増していると国会で問題になりました。これはフォーブス誌の世界の富裕層の記事に彼の財産が紹介され、それによると大統領の財産は以前の2倍にもなっているというわけです。おまけに最近問題になっているソキミチ社の株式市場での不正取引問題で、同社は多額の金を得ましたが、何とピニェラはその株を所有していたと言われます。まさかその不正問題に彼が絡んでいたとは思えませんが。 大統領就任前にランチリ航空の株を処分するように与野党から声が上がったのは思い出しますが、彼は他の株など財産は第3者に預け、大統領就任中は一切手を出さないことにしたはずです。さぁどうなのかな?彼ほどの財産を持っていれば資産が300万ドルや500万ドルが増えても減っても痛くもかゆくもないはずですが。