(政治)

1) ピニェラ大統領の外遊
APECとTPP会議に出席のためピニェラは東南アジアに飛びました。会議の前にタイを訪問し同国と自由貿易交渉を締結。タイを通して東南アジアに入りたいとか。しかし軍事政権の頃シカゴ・ボーイズと呼ばれた若手学者を起用し、彼らの新しい知識と情熱をたくみに使ったピノチェットの作戦が当たり、チリはラテンアメリカで最も門戸の開かれた国になっています。日本と全く異なった政策を取ってきたわけですね。
さて今週のAPECとTPPの大会にオバマは国内政情不安で参加を取りやめた由。共和党が反対するので政情不安と言われていますが、理由はともかく際限もなく借金を吊り上げる彼の政策が問題なのではないでしょうか。つまり今のアメリカは自分の力以上の見せ掛けの国の訳ですね。よくそんな借金国がシリア空爆など言い出したものです。
ところでボリビアの海問題です。エクアドルの大統領がボリビアの権利を認める発言をしました。チリはこれは2国間の問題で第3国が口を挟む余地はないと反論しましたが、次にべネスエラ、アルゼンチンなどがボリビア援護かな?
2) 10月5日、軍事政権継続可否投票が行なわれた日です。ピニェラは「これは記念すべき日だ。新しいチリが始った」とコメント。過去と一変し、軍事政権を引きずっていないことを明確にしました。もちろんこれは政府と与党2党間でかなり考え方に差があることを示しています。UDIの党首がピニェラは次の選挙に大きな責任を負っているとコメント。なんだかマテイが負けたらピニェラのためと言っているみたい?
元軍人の特別刑務所廃止でピニェラは先週、与党側から強い批判を受けましたが、何とか踏みとどまりました。特別刑務所に入れられていた元軍人メナは健康上の理由で恩赦をピニェラに請求しましたがなんと5度も拒否されていたとか。特に最後のケース2012年12月には時の法務大臣がそれを認証し、大統領のサインがあれば実施できるところまで行っていたらしい。ピニェラ大統領も意地を見せていますね。
先週その彼は自殺しましたが、彼は自分の名前で4丁の銃を正式に所有していました。普通、誰でも銃の所有は問題ありませんが、有罪判決を受ければ、銃の所有は不可能です。裁判所は彼の銃所持を認めない処置を取るべきだったと考えられています。それをやらなかったのはやっぱり元軍人だったからでしょうか。彼の葬式で多くの参列者がピニェラ批判をしていました。
ピニェラが廃止したこの特別刑務所を以前の大統領は放置していたのですが、この点を聞かれたフレイ元大統領は事情は年々変わるのですよと自分の決断の無さをごまかしました。世論調査の結果ではピニェラの特別刑務所廃止を84%の人が認め、反対はわずか8%。彼の決断は一部の極右を除き左右の別なく認められていることがわかります。
3) 大統領選挙与党側の候補者はマテイです。しかしRN党のある国会議員がなんと独立系のパリシと仲良くしています。エネルギー問題でその候補者の支援をしたいとか。インタビューでそんなことをすれば党からお叱りが来ないのかと問われるとRNは非常に開かれている党だからこれが大問題になることはないと平然。自軍の候補者をおさずに他の候補を応援するなんて言語道断ですね。
私の推定ですが、問題が起こっていないように見えるのは、「9名の候補者の中でマテイに近いのはパリシ。彼が1次選挙で10%取るとすれば2次の決選投票のとき、彼に入った票をマテイがすべて集める可能性がでてくる」と見ているのでしょう。私の見通しは甘いかな?
同じRN党の他の国会議員候補者は2017年の選挙ではピニェラを大統領に推したいとコメント。こうして自分の将来を他人に託すわけですね?
候補者は何か目立ったことをする必要がありますが、MEOは最低賃金を28万ペソにしたいとしました。また彼は父親が軍に暗殺されていますから、10月5日のNOの記念日に特別スピーチをしました。このエンリケ・オミナミに私は前回は投票したのですが、今回はどうかな?