(政治)

1) 大統領選挙
大統領選挙の予備選挙で候補者だったRN党のアラマンは選挙で負けた後、所信を明らかにしていませんでしたが、今週になってサンティアゴ西地区の国会議員選挙に立候補することを明らかにしました。同地区のUDIの候補サラゲットは苦々しげにRNは何をやるかわからない党だとコメント。アラマンは先の大統領予備選挙で同地区ではUDIよりずっと高い票を獲得しています。何でも2017年の大統領選挙にまた出たい由。
2) 国会議員挙制度
なんとRNとDCが密約を実施。先の選挙で野党側のDCは社会党共産党などに推されたバチェレット、さらに独立派のべラスコにも敗れ、惨めな3位に終わりました。党内で主流派と反主流派、もしくは同党のオレゴ候補を推した党員と、党の規則を無視してバチェレットを推したグループに分裂しそうでした。一方、与党側でRNは僅差でUDIに破れ、悔し涙を飲みました。その負け犬の両党がこっそり話し合い、突如、選挙制度改革案を提出。RNの友党のUDIも肝心の政府もそれを聞かされていなかったといいます。しかし大胆ですね。やり方が。意味があるのかどうか知りませんが。
それを受けて翌日、政府はUDIとRNをモネダ宮殿に招き、政府側として選挙制度改革案を作成しました。(秘密好きなRNの党首はその会議に出席しませんでした)
ピニェラはその夜にテレビ全局を通じて現行選挙法について、既に任期を終えた古い方式とし、来週にでも国会に法の改正を提示し、この11月の選挙までに実行したいとしました。  RNとDC党は国会議員数の増加を考えていましたが、政府案では議員増はありません。
新方式では、世界のほかの国と同じく、多くの投票を得た候補者が当選します。現行のチリ方式は各地で2名の議員を選ぶ方式ですが、通常は与野党が一人ずつ当選。と言うのは片方のグループが2名の議席を確保するためには投票数が相手方の2倍になる必要があるためです。新方式になったら今までのような生ぬるいやりかたでは議席の確保ができません。味方の間でも論争の激化は眼に見えるようです。目立つのはDCと他の野党グループ、与党内のUDIとRNの争いでしょう。
3) 税務局長の辞任
税務局長のペレイラは以前、ジョンソン百貨店に1億ドルの税金棒引きを認めたことから、野党から非難を浴びました。その時は監査局の調べを受けることを条件に同職にしがみつきました。今回、その調査結果が出て、決められた限界を超えている可能性が示唆されたため、辞任を決めました。野党側は汚職局長と決めていますが、与党側はまだその結論は出ていないと彼をかばっています。でも税金の棒引き額が大きすぎますね。それで身が軽くなったその会社はセンコスッド社に買われました。買ったほうも借金がなければ気楽に買えますからね。やっぱりどこかおかしいな。
ところでこの前局長はRN党首のお気に入りで、この辞任劇の後、RN党首は私とピニェラ大統領の間に信頼感はないとコメントしています。
4) ペルーとの領海問題
オランダのハーグ国際法廷で審議中のペルーから出された領海問題はこの7月に終了する予定でしたが、19日までに結審しなければ、夏休みに入るので9月まで延期と言うことになるらしい???
ペルーのウマラ大統領の人気がこのところ落ち目で、一時の70%近いところから39%まで落ちました。もっともチリのピニェラ大統領も同じくらいの低い人気ですね。