(政治)

1) 大統領選挙の予備選挙
先週の日曜日に行なわれた予備選挙ですが、野党側はバチェレットの楽勝でしたから、大きな問題は起こりません。
与党側は勝つと思われたRN(国民改革党)のアラマンがUDI(独立民主同盟党)ロンゲイラに僅差で敗れたため、大きな亀裂が入っています。ロンゲイラ側のラビン選挙参謀は、アラマンに何時までも大きな顔をするなと侮辱したらしく、それが報道されると、はすみませんと謝りのコメントさせられました。RN党首のララインは政府はUDIに肩入れしていると批判。ピニェラはRN出身なのですが。確かにロンゲイラはピニェラと並んで写した写真をポスターに使いましたが、アラマンはそれがなく、不思議。もちろん問題の本質はまだ秘密なのでしょうが、与党側の亀裂は深い。
まぁ、11月の本選挙で保守党派が野党側に勝てるとは思えませんが、少しでも接近するためには仲違いは少なくしなければね。
2) 左右の対立
プロビデンシア区は首都圏の中でも歴史のある有名な地区です。その区長は長い間右翼のラベでしたが、先日の地方選挙で彼は落選し左翼のエラスリスが勝ちました。その彼女は区の中心道路9月11日通りの名称変更を提案しました。それが区会議員に可決され「新プロビデンシア通り」に替わる事になりました。 9月11日はピノチェットが左翼のアジェンデを死に追い込んだ軍事革命の記念日ですから、左翼側としては名前の変更をしたかったわけです。しかし30年もの長い間、続いていた名称を簡単に変えるのはどうでしょうね。
まだあります。プロビデンシア区で学校封鎖になっていた高校の一つを彼女は生徒達と話し合った結果、封鎖解除にこぎつけました。彼女は教育大臣に、「先日、大きなデモが起こったとき、あなたは家族と一緒に欧州にバケーションに行っていた。さらに2ヶ月も学校封鎖になっているのに問題解決のために全く行動を起さなかったが、それで教育大臣の値打ちがあるのか」と問いかけました。大臣は「区長の素晴らしい働きを賞賛します。もっとも2ヶ月の間、区の責任になる学校で封鎖を放置したのは許しがたいが」と軽くあしらいました。
ラゴス大統領時代に公共事業省の汚職問題を担当したチェベリッチ裁判官が、やっと最高裁の判事に任命されました。野党側の一部が、同裁判官に反感を持っていたためもめたのですが、最終的に国会で高裁から最高裁への昇任が認められたもの。自分たちの陣営に打撃を与えたとは言え、汚職をしたのが事実なら、大臣などが公職追放されても文句は言えませんよね。
3) ボリビアのモラレス大統領がモスクワで行なわれた国際ガス会議から帰国するため専用機で欧州を通過しようとしたところ、イタリアやスペインから上空通過を拒否され、急遽オーストリアに着陸せざるを得なくなった事件には驚きました。事実は小説より奇なりですね。例の元CIA職員をその飛行機にかくまっているという推測から、それらの国はアメリカにゴマをすったわけですね。
ところでその職員が嘘を言っているなら虚偽の発言で訴えられるのはわかるが、彼が真実を言っているなら、彼が刑務所に行くよりアメリカ政府自体が世論の非難を浴びるべきではないのかな?
モラレスはボリビアに戻り、同国で開催された南米大統領会議に出席し、同僚のべネスエラ、ウルグアイ、アルゼンチンなどの大統領とともに欧州のそれらの国を批判しました。
チリのピニェラはこの会議に欠席。やっぱりボリビアの海問題があれば、気楽にボリビア訪問はできませんね。