(政治)

1) 税制改正
下院で政府案が承認されました。昨年の学生運動で世界的に有名になったカミラ・バジェホが、中途半端な税制改定ではチリの抜本的な教育改革はできない、従って上院ではこれを否定すべきだと発表しています。しかしこの改定で政府に入るお金は12億ドルと半端なものではないですけれど。
与党側はこれに反対する野党は過去20年間、自分たちが政権を握っていたとき、税制改革を行なわなかったのに、ここに来て反対するのは理解できないといっています。そのいい加減なところが政治家なのですね。

2) 地方選挙
一番、注目されているのはサンティアゴ区の区長選挙。野党側のトア候補はポスターにバチェレットの写真も掲載。彼女の信頼を得ている私ですと主張。
そのバチェレットの地震・ツナミでの責任を問う審議は継続なのか終了なのか良く分かりませんが、彼女が正式に次期大統領に立候補を宣言すれば問題再燃は間違いありません。
ところで今月の世論調査で、ピニェラの人気がやや回復。最近、この3ヶ月で支持率が10%も上昇。もっとも今でも36%ときわめて低いですが。
10月の地方選挙で投票率はどうなるでしょう。今までは選挙投票は義務制でしたから、基本的には投票率は100%でした。(投票所から遠く離れた場所にいるとか、病気の場合を除く)
最近の世論調査で若年層は45%が投票所にいかないとしています。
政府内で大統領選挙に関し、再選を認める法案の提出が進んでいます。現在は再選システムがないのでバチェレットのように一度、他の大統領を挟んで立候補することになります。

3) 政府と司法の争い
爆弾を仕掛けて逮捕された青年が、テロ事件でなく、銃器不法所持の軽い罪で争われることになったので、判決が出るまで自宅待機になりました。近年100箇所以上の公共の場所に爆弾が仕掛けられていますが、それがほんの軽い罪にしかならないのはおかしいと政府の中で考えられ、労働大臣のマテイが裁判所(裁判官)を厳しく批判。これに対し裁判所側は政府の司法介入を拒み、国際法廷などに問題を持ち出すことも考えているらしい。三権分立は分かりますが、この場合、裁判官の考え方は普通の人ではないですね。

4) 今週のスペインの新聞エル・パイスイスラエルのイラン攻撃は時間の問題とする大きな記事が載っていますが、アメリカの共和党代表の大統領候補はイスラエル訪問時に自分はその攻撃を支持するとコメントしていますからね。
しかしこの辺で戦争が無いとアメリカの軍関係者・兵器生産産業が苦しくなるのでしょうね。これで中東戦争の可能性が大きくなってきます。やめてほしいですが、人間の歴史ですね。オバマは役に立たない大統領だと思っていますが、共和党の候補者よりは確かにましです。それがチリにどう影響するのかな?