(政治)

1) 最低賃金制度
笑ってしまいました。月曜日に大統領官邸で行なわれた朝食会に招待された与党グループの一つRN党首が集まったメンバーの顔を見て、その中にこの問題で自分を批判した自党の代議士がいたので、怒って退出。大問題になりました。
しかしあまりに子どもっぽいと言うか。それで党首が務まるのかな?
その類の代議士が討論しているので、この大事な問題に片が付きません。今週も国会で否決されました。
一般に考えれば、右翼は財界側に立つので最低賃金は低く抑えたい、左翼側は労働者の側に立ってそれを高くしたいと言えるでしょう。しかしピニェラ大統領が言うように今年の最低賃金の上昇は前バチェレット政権より高い数字が準備されています。野党の議員は以前に文句を言わず賛成した数字より高い数字を何故反対するのかな。おまけに欧州危機がチリにも影響するのは時間の問題ですよね。
政府の乙波する193000ペソとRNの主張する20万ペソの間は3.6%ですが、政府としては20万ペソを採用すれば小企業を中心に失業率がどこまで上がるかなど具体的に自分たちの計算した推定を説明する必要がありますね。
もっとも労働者が20万ペソ以下でどうして生活できますかと詰め寄るのも理解できますが。

2) 野党側の問題
与党側ももめていますが、同じように野党側ももめています。DCが野党連合の左翼化に反発して、それは今までの中道・左派連合の転換・終了になるだろうとか、社会党の議員がこのままでは党に留まる意味が無いと発表するとか。
その中で今週、もっとも注目をよんだのはDCの国会議員の「次の選挙でバチェレットが政権を握ったとして,起こりうる最悪のケースは人民政府を樹立しようとすることだ」と言うコメントです。
前バチェレット政権のとき、彼女にとって最悪の事態は公共運輸のトランサンティアゴの開始時とペンギン運動とよばれた学生運動の取り扱いでした。
ピニェラ政権の昨年も学生が教育の無料化を叫んで大騒動になりましたが、バチェレットが再度政権を握ったとき、民衆がこれで教育の無料化が成り立ったと判断すれば、新政権崩壊の目になってしまうと心配するわけです。
じゃ最低賃金の件でも同じでしょうね。バチェレットが再度、モネダ宮殿に戻れば、人民の要求が全部通るなんて誰が言っているの?