(政治)

1) 南米の政治地図
パラグアイの話題がまだ継続です。新政権の発表ですが、前大統領を更迭する直前に、パラグアイ陸軍のところにエクアドルとべネスエラの大使が訪問し密談。前大統領の保護のため軍事行動でも起こすつもりだったのでしょうか。これに怒った新大統領はべネスエラともめています。
南米の政治図は、シンプルにすると右翼対左翼とか親米対反米などの関係が浮かびますが、べネスエラのチャベスを筆頭に似たような考えのエクアドルボリビア、その流れに近いのがアルゼンチン、ブラジル。そこに前パラグアイ大統領がいたわけですね。
先週、パラグアイ、べネスエラの大統領が自国の病院に行かず外国の医療施設に入るのは、安全の問題からと書きましたが、パレスチナ元代表アラファトは毒殺されたと言われ始めました。まぁ世界中、どこでも同じようなことが起こるわけですね。
メルコスールは今から20年ほど前にできた組織ですが、その頃は政治的な発想はなく、何とかして国内の経済発展が図れないかと近隣諸国を誘ったわけですね。その頃のアルゼンチンの大統領はメンネムでした。後にチリ人のボロッコと結婚します。それが今回は政治化してべネスエラを加盟させ、パラグアイを追放しようとかしています。
パラグアイ問題の発端となった空地の不法占拠問題ですが、その問題は遅れた国には存在するが、チリは先進国だからそんな問題はないでしょうと思われるかもしれません。違います。毎日のようにチリ南部でマプチェと警察の衝突が起こっています。マプチェが白人の農地に入り、不法占拠、放火など狼藉を働き、駆けつけた警察と銃撃戦を行なうわけです。その辺の地主もたまりませんね。木材運送のトラックに火をつけるの良くあります。いつまで続くのでしょうか、スペイン人が不法にマプチェの土地を取りあげたのは歴史的事実ですが、もう500年前ですからね。そう言い出せば、アメリカだって北海道だって原住民の土地が欧州から来た白人、本州から来た日本人に不法占拠されていますね。

2) 国内では政局は2大問題を抱えています。一つは最低賃金問題で、もう一つは選挙制度。不思議なことに与党内の1党RNが野党より粘り、政府案に合意しません。政府提案は193000ペソですが、RNは20万ペソを主張し譲りません。このまま国会で採択されないと値上げが実施不可能になりますが、この先どうなるのか不思議です。
RNの党首が、「私たちの主張を友党のUDIは全く応援しようとせず、逆に馬鹿にした冷たい目で見ている。従って誘われていたこの日曜日に行なわれる彼らの党総会に、当初は参加するつもりにしていたが、今では行く気がしなくなった」とコメント。これってやばいですよね。自軍の2党がこの様子ならこれから先の国家経営が上手く行くわけはありません。
選挙制度のほうは下院で憲法に制定されている議員数120を変更する提案が否決されました。これは選挙制度を正常化するに当たり、議員数を増やし自分の議席を確保しようとするアイデアだったのでしょうね。現行の与野党からほぼ一人づつ選ばれる制度では自軍の中で位置を確保すれば間違いなく当選ですからね。なんでも議員の月収は全部で1000万ペソとか。かなりのものですね。