(政治)

1) メルコス−ル
南米諸国が参加するこの連盟の大会がアルゼンチンのメンドーサであり、ピニェラも参加しました。議題の中心は先週大統領を罷免したパラグアイの処置で、前大統領のシンパの国はパラグアイの除名まで準備していたようですが、期間限定でメンバーからはずすという軽い処置になった様子。何だか日本の民主党の党内問題に似ています。
そのルゴ前大統領は肝心のパラグアイで人気を失っているので反撃にも力がありません。フランコ新大統領は、参加させないと言われたことに軽く反論して、「これで会議に参加するための時間と費用が節約になりますね」。これは前大統領が毎月のように外遊を重ね多大の費用を費やしていたことへの揶揄でしょうか。
ルゴは癌の疑いがあるとしてブラジルの病院に通っていましたが、パラグアイの医師会はここでできる治療をどうして他国で行なうのかと批判していました。同じことはべネスエラのチャべスが、癌の治療にキューバに頻繁に渡りますが、それは自国の病院で間違った注射でもされたら命取りですからね。病気で死んだのか事故で死んだのか分からないほど巧妙な殺人手段があるらしい。マイケル・ジャクソンの例もそうかな?
中国の温家宝首相がチリを訪問しました。中国の投資がブラジル・アルゼンチン・ペルーに入っているのに、チリを素通りしているとチリ側は心配していますが、この訪問で少しは中国の気をひけるような会話があったのかな?

2) 野党内の争い
同じようなことは既に以前から継続していますが、今週は派手でした。バチェレット政権の大蔵大臣だったべラスコは次回の大統領選挙の候補者になると宣言していますが、人気が上がりません。彼の動きを野党連合の分裂の一つと見るPPDのジラルディ議員が強烈に批判。前選挙で右翼に負けたのはべラスコの大蔵大臣としての政策の誤りのためだとまで飛躍。これに対抗してべラスコはジラルディを私が大臣の頃から、脅す・ゆするなど汚い手で圧力をかけてきた古い政治家の見本と切って捨てる。両者の争いはどこまで行くのか分かりませんが、とにかく野党側はバチェレット以外では勝ち目が無いと信じきっているのでべラスコのような動きは単に右翼側を利するだけとするわけですね。
もうすぐ行なわれる地方選挙の焦点の一つはサンティアゴ市長戦です。現在の与党側のサラゲット市長に対抗して、野党側は元PPD党首のトアを立てたのに、マルコ・エンリケ・オミナミMEOの党PROからも出馬を宣言。トアはこれは右翼側を助けるだけと叫んでいます。前回の選挙でMEOは大統領選挙の予備選挙にも出馬を許されなかったので所属していた党を離れ、独立して立候補しています。私は1次選挙では彼に投票しました。同じようなことが次回も起こるわけですね。ところでそのMEOの義理の父親の元社会党議員のカルロス・オミナミはフランスの社会党は甦生したが、チリの社会党は古い体質の保守派になってしまっていると厳しいコメント。
私はバチェレットが野党代表になれば投票しません。べラスコとかそのほかが野党代表になれば、野党側に入れますが。

3) 最低賃金問題
政府提案の19万ペソ台では国民を納得できないと与党のRNは20万ペソを主張し譲りません。政府は当初の191000ペソからやや譲歩して193000ペソを主張。RNの20万ペソを全く無理と拒否しながら、その替わりにこの国会で政府案が成立すれば、委員会を設立して最低賃金の数字を上げる可能性を探る、つまり20万ペソを目標にするとしています。どうなるかな?