(経済)

1) チリの物価上昇率
今週の発表では物価上昇率は5月はゼロ。過去12ヶ月では3.6%の上昇。落ちついています。

2) チリの命運は銅ですが、何とペルーが銅生産を拡大し、この先、何年かでチリの生産量に追いつくとしています。そんなに簡単に大増産ができるのかな?
中国の銅の需要が減少すればすぐに価格に影響しますが、逆にペルーがチリに追いつくほど生産を拡大すれば価格はどうなるのかな?1ポンド2ドルとかになれば、チリは真っ青ですね。
貧民層向けのボーナスなんて夢ですよ。最近の数字では中国が保有する銅は世界の半分とかで、確かに銅産業の中国頼みが見えます。

3) エネルギー問題
アイセンの水力発電ダム建設に関し昨年大規模な反対デモがおこなわれました。それに対し政府がはっきりした政策を示さないとし、ダム建設側のコルブン社がこのプロジェクトの調査を打ち切ると表明。
それに対し政府はそのダムだけでなく、他にも中途で先の見えない計画などを含めエネルギー政策の見直しを8月中におこなうと声明しました。2020年までに現行のエネルギーを倍増したい意向。
テレビの番組でダム賛成派と反対派の討論会を見ましたが、反対派が、自分たちは大多数の市民の支持を得ているとし、他の電力源(太陽・風力など)による発電、効率のよいモーターへの投資(電力使用の削減)などを呼びかけていました。 どう考えても鉱業・工業だけでなく一般市民の生活に影響する発電問題を自然保護の観点だけから結論付けるのは無理だと思わせました。チリの家庭の電気料金は2012年でメガワットあたり159ドルでこれはブラジルの135ドル、アルゼンチンの22ドルに比較してはるかに高いレベルです。

4) 世界経済危機のチリへの影響
スペインに10兆円の援助が与えられるかどうか問題になっていますが、10兆円って、日本の借金のわずか100分の1ですよね。それでスペインが救えるならすぐにでも助ければよいのに、いや逆に日本の借金が大きすぎるのか?
中国の金利が6.3%に下がったようですが、チリは5%維持で中国のような景気高揚策は取っていません。
チリ政府は、外国の経済危機は遅かれ早かれチリに影響するが、まだまだ大丈夫としていました。ここに来て、失業率を上げないため半日労働制度の実現を考えているみたいです。残りの時間は勉強・研修にあてるとか。給料は75%になるらしい。つまり一人の失業を出さないため二人の労働者が半日ずつ働くわけ。ワーク・シェアリングでしょうか?
5月の輸出は前年対比12%も下がり、輸出総額は65億ドル、輸入は67億ドルで、昨年の8月以来始めての赤字でした。