(経済)

1) 輸入税ゼロ
現在のチリの輸入税は1%で、世界平均の2.6%よりずっと下。(日本は平均1,6%、アメリカは1.8%でチリほど開かれていません)これを2015年にゼロにします。香港やシンガポール並みになるわけです。チリの門戸開放政策もここまで来ました。もちろん農業関係者など隣国の製品が安く入り経営に苦慮しているのは事実ですが。
これとは直接の関係はありませんがガソリン代が25ペソほど下がるらしい。原油の値段はもう2月の低い段階まで下がっていますから、ガソリンの値段はもっと下がってよいはずですが。
元気なチリ経済ですが、新車の販売は5ヶ月連続で減少し、4月は何と全年対比10%減少。ただし7千万ペソ以上の最高級車は前年より55%も売り上げアップとか。フーム、通常の人間は苦しいが、超金持ちが増えてきたのか。

2) ボリビアの電気会社国有化
アルゼンチンがスペインの石油会社を国有化を図っていますが、今週はボリビアのモラレス政権が同じくスペインの電気会社の国有化宣言。
これで同国にレア・メタル関連の鉱山への進出を考えていた企業は二の足を踏むでしょうね。しかしそれが中国の戦略だったら・・。
世界のレア・アースを抑えるために中国がモラレスをそそのかし、国有化宣言をさせたのではと考える私は、先走りすぎるかな?
次はエクアドルでしょうね。同グループのリーダーのべネスエラのチャベスは余命少ないと自覚しているようで、動きは見えません。
なんだか欧州の動きもそれに似たようで、今までの「連帯」から、右翼の台頭で各国が「独自」の政策を探るようになってきています。フランスの大統領選挙で予選で3位に入った極右のルペン氏が同じ系統の右翼のサルコジを支援しなかったのは当然で、次回の選挙で一挙に政権奪取を狙っているわけです。
じゃ、チリの「独自性より協調性」の路線は時代遅れなのか?ピノチェット政権から過去20年以上、門戸開放し世界と協調することでここまでこぎつけたチリの実績は他国の実態に惑わされず堅持すべきと思いますが、どうでしょう?

3) 増税問題
大企業への課税が現行の18.5%から20%に上がることになれば、今年度は9月から実施されると1億9千万ドル、来年は18億ドルの増税になります。しかし個人の所得税の減少、印紙税の減少などで次の5年間で27億ドルの減収になりますが、野党側は何故減税する必要があるのかと攻めることになっています。

4) 航空業界
ラテンアメリカの業界で、シェアーのトップはタムで19%のシェアー、続いてゴル(17%)とランチレ(11%)。タムとランが合併すればダントツですね。ただ証券市場での存在感はランが圧倒的で95億ドル、2位はコパで36億ドル。如何にランチレが高い評価を受けているかが分かりますね。

5) 今週アメリカのNYダウが過去4年4ヶ月で最高の数字を出しましたが経済音痴の私には理解できません。アメリカが高い失業率に苦しみ、主要小売業の売り上げが低迷し、どう見ても通常の経済成長を遂げていないのに、過去数年で最高まで株式市場が上昇するなんて。
他に投資するところがないので株にでも廻すというなら理解できますが。その後かなり落ち始めましたね。何やそれわ?