(政治)

1) 新聞報道
北朝鮮金正日がなくなりましたが、それに関しチリ共産党の党首が同国に弔電を送りました。これを取り上げ、政府はあの独裁政権の責任者に連帯のメッセージを送るのはいかがなものかとコメント。野党連合のDCキリスト教民主党も野党連合に共産党を入れるという動きは過去に幾度もあるが、北朝鮮と連帯する党と連合するわけには行かないとコメント。しかしその後、ぴたっとこれに関するニュースが出なくなりました。
外国関連でついでに・・・イラクアメリカ軍撤退の後に爆弾事件が続発とニュースに出ます。それを見ているとアメリカ軍は治安維持のため良いことをしていたのだなと思わせますね。全く違います。爆弾事件など皆無だったフセイン政権を原爆保有をしているとの無実の罪で壊滅させ、治安悪化を招いたのはアメリカです。それはニュースには出ません。イラクが原爆を保有するのは犯罪だが、それに敵対するイスラエル保有するのは問題ないとアメリカはするわけですね。
その他ですが、先週チリ入りした前大統領のバチェレットは各種の行事に参加を始めましたが、それもニュースに出ません。メディアに報道しないようにどこかから要請が出ているのでしょうね。何でかな?
バチェレットが次の大統領選挙に出馬すれば全野党は結束しますが、その逆の選択を彼女がとれば、野党連合が崩壊するのは間違いないでしょうね。

2) 検察対内務省
もうこれもかなり長い間の懸案事項です。内務省のトップたるヒンスピーテル大臣は政府内部のパーティのときカラオケで検察のチョウワンを揶揄する替え歌を歌いそれがネットに流れました。一触即発に雰囲気のなか、木曜日にモネダ宮殿で行なわれたユダヤ教の祭典に出席した二人はカメラの前で握手をしました? 犯罪の増加を抑えられないのは政府か検察の責任かと言うのが原因ですが、政府のほうが分が悪い雰囲気です。
しかし検察・裁判所のほうにも逆風が出てきました。裁判所の建設を実施するときになんだかいつも同じ業者が請け負っているらしい。裁判所の首脳陣の会話の中で、一人が「これが世間に知られれば大問題だぜ」と言ったのが録音され漏れました。大した問題では無いとし、最高裁判所は当初これを正式に事件とはしないとしていましたが、この録音が公けになってしまったので、事件として取り上げ、最終的に検察の手が入る模様。談合事件を調べている裁判所の中で、こんな事件があるなんて。チリの現実でしょうか。

3) 選挙について
チリの現行選挙システムは選挙人名簿に登録するかどうかは各人の自由。しかし一度登録すると、選挙のとき、投票は義務になります。それが変わりました。 この20年ほど同じことが取りざたされていたのですが、やっと日本と同じように「登録は自動的に、投票は自由に」になりました。
これで200万人とか言われる若手に投票権が出てきました。彼らは投票するかな?左右のどっちに入れるかな?チリに新しい風が吹くかな?
もっともこの新システムは来年の地方選挙には使われないといわれています。(準備期間が少なすぎるからとか)
チリの投票率はほとんど100%でしたが、これからは日本と同じように40%とか50%になるのでしょうか?投票もしない人間は政治の批判は出来ませんね。

4) 教育問題
今年最後の学生デモが全国各地で行なわれました。新しく選ばれた学生連盟の会長が、私たちの運動は市民の支持を得ている、来年も教育の無料化を進める戦いを進めていきたいとしています。
今週、チリ大学本部の占拠が数ヶ月の後にやっと自主解除されました。高校でも有名な国立高校が解除されましたが、中は散々たる様子で、修理担当の責任のあるサンティアゴ区長は苦虫を噛み潰していました。やっぱり高校生本人かその両親に責任があるのでしょうか?
予想としては、2012年にチリの教育問題はさらに良くなるだろうされています。ただし学生デモの最後尾についた覆面部隊は一般市民から今年度で最も悪い評価を受けています。