(一般)

1) 刑務所の火事
もうあれから1年が経ったのですね。昨年12月のサン・ミゲル刑務所の火事で80人以上の囚人が焼死しました。事故のすぐあと、その事件を小説に使うため、私もその刑務所を取材訪問し、いろんな人と話しています。                         その追悼式には法務大臣・刑務局長官など政府代表も参加しましたが、遺族側から強い抗議を受けました。
政府側は火事の原因は刑務所にはなく、囚人間の抗争から火を使ったとし、焼死については遺憾の意を表明するが、責任は政府にはないとしました。市民の間からも同じように意見が出て、「犯罪を犯して刑務所に入れられ、そこでもガスを利用して相手グループを攻撃するなど、通常の一般常識は超えているから、遺族が主張する権利はあまり説得力がない」のようです。

2) 同じような追憶ものですが、元大統領のピノチェットの追悼式がありました。彼の死去から5年経過したのですね。随分長い間テレビに出なかった彼の奥さんルシアを久しぶりに見ました。チリは基本的に左翼のほうが右翼より多いですが、右翼の方は狂信的なのが多く、ピノチェットは未だにその中心的な存在、シンボルです。
左翼のほうが多いのになぜ前回の選挙でピニェラが勝ったかですが、それまで20年間継続した中道左翼政権の腐敗に飽きた左翼層がピニェラに投票したからです。私は20歳になって初めて日本で選挙投票して以来、ずっと社会党に入れていましたが、チリの左翼に反省させるため先の選挙で生まれて初めて右のピニェラに投票。私みたいな人間が、わずか1%か2%でしょうが、チリの政治の流れを変えたわけですね。

3) 大学入試
日本の共通1次試験のようなものでしょうか、チリの大学入試は来週全国で同じ試験が行なわれ、そこで得られた得点を基に大学入学が決まります。受験者数は41万人とか。入学できるのは7万8千人です。
今年の長かった紛争のおかげで、来年の入学費は値上げなく今年と同じに設定した大学が続出しています。もちろん学費を無料にと言う要求からは程遠いですが。

4) この木曜日は、聖母マリア受胎の祝日でしたが、バルパライソの近くのロ・バスケ教会に何と80万人が集結。遠いサンティアゴから夜通し歩いて教会にたどりつく人も多くいたようです。スポーツをあまりしないチリ人も宗教的なことだと体力の限界に挑むわけですね。

5) 青年の健康問題
カトリカ大学の発表でチリの20−30台の青年の6人に一人は糖尿病か高血圧らしい。食生活では27%が誤った食事、62%は疑問の多い食事、11%だけが健康な食事をしているらしい。運動をせず煙草をすって、砂糖の取りすぎの若者では将来性は少ない。しかしこれは最近だけの傾向ではなく、この10年ほど前からの問題ですね。