(政治)

1) 教育問題
いったいどこまで行くのでしょう。もう限界を超えてしまったようです。学校の問題ではなく社会問題になっています。
この運動のシンボルになっているチリ大学の女子学生バジェホをからかった文化省の人間が配置がえさせられました。「バジェホを消せば、運動はポシャる」とツイッターに書いたからです。
今週のデモでもサンティアゴ中心部で大混乱。10万人といわれる大規模デモ。一般のアパートに一部の覆面学生が乱入し乱暴狼藉。駐車していた車に放火とやりたい放題。イギリスでも街頭の狼藉でもめていますが、チリの政府も手が出ません。元大統領のフレイが現政権は統治能力不足とコメントしたのは嫌味でなく実際だったよう。来週もデモがあります。
保養地のプコンでも高校が占拠され、教育は金儲けで無いと大きな看板がかかっていました。公立高校は金儲けでやっているわけでないから、流行言葉を良く意味も?みしめず使っているようです?公共教育が無料化すれば、レベルが今より落ちるのは避けられないでしょうね。
軍事政権のあと20年間、中道左派政権は大幅な教育改革を実施できませんでしたが、ここで思い切った変換ができるのでしょうか。元大統領のラゴスが5州の大学で教育改革について講演を行ったところ、学生からお前が大統領のとき全く改革を行なわなかったではないかとつるし上げられたとか。右も左も政治家は口は達者だが、仕事はしないみたいですね。しかし給料は高いようですが。
ところで授業がなければ、政府は公立学校の学校の運営費の一部を払わず、それは先生方の給料に影響するのではと心配。そんなことは知っての上で教員組合は学生連合と共同でデモを継続しているのでしょうか。
国会議員が学生・教師代表に集会を呼びかけましたが、大学代表に拒否されました。相手は政府だけとの回答でした。一方、高校生代表はその面談を受けています。
ともかく来週国会でこの問題が議論されそうです。野党側はこの問題に関し国民投票を実施することにして学生・教師に信用を与え問題を解決しようとしています。もっとも統治能力不足は政府だけでなく、国会にも不足のようです。
良く分からないのですが、何故一部の学校だけが占拠され、さらにその占拠された学校の一部だけが警察の手で解放されるのでしょう。問題は同じだからどこも同じ状態になるのが普通と思いますが、学校によってこのように状況は全く違います。そして占拠が継続している学校の生徒の留年が近づいているわけです。なんでも占拠されている学校の生徒で勉強したい学生を他の学校に入れるとか、自宅学習をさせ、その後、試験をして結果によっては進級させることも考えられているようです。規則を曲げて、段々いい加減になるわけですね。

2) チリとボリビア
先日、ペルーのウマラ大統領就任式に出席したチリとボリビアの大統領はそれを利用して約2時間面談しています。その時の様子が新聞に発表されました。もちろん公式記録ではないので、あやふやな点はあるでしょうが、雰囲気は分かります。モラレスが一方的にピニェラにクレームを入れる形で話は進んでいたようです。特に腹心のサナブリア麻薬対策警察長官の逮捕についてはチリのPDIがアメリカと組んで、彼を陥れたとしています。彼はマイアミで裁判にかかっていますが、当初無罪を主張していました。そのまま有罪判決が出ると無期懲役になると脅され、刑期軽減のため有罪を認めました。9月に本格的な裁判が始まるようですが、そこでもし彼がモラレスの指示でコカインを扱っていたと発言すれば・・。
アメリカは他国の主権を侵すとして、それはボリビアだけの問題では収まらないでしょうね。べネスエラを代表とする反アメリカ国がどう立ち上がるか、予断を許しません。