(政治)

1) ピニェラの人気が下落
もう目新しいニュースではないですが、今週発表の世論調査で、彼を支持する数は30%で、しない(61%)に比べるとはるかに少なく、何と民政化以降の大統領で最低の数字になりました。野党のほうは大喜びで、次回の調査でこの数字は更に下回るとコメントしています。問題はその野党を評価しないと言う声が70%にもなり、与党は駄目だが、野党はもっと駄目となっています???
これを私なりに見ると民政化以降、中道左派が4代にわたり政権をとり、今回始めて右派政権になったが、なんら目新しいことはなく大半は以前の繰り返しでがっかり。それとバチェレットはニコニコして愛想良かったが、ピニェラは偉そうな顔をして庶民と接触しない、その2点が原因ではないでしょうか。
今週、彼はメキシコに行きましたが、土曜日の帰国予定を、17歳以下のサッカー世界選手権の決勝が日曜日にあるので、予定を変え、それを観戦してから月曜日に戻ってくるようです。アメリカップのチリ戦を見損ねたからですか?
彼のメキシコ外遊のニュースはほとんど新聞にもテレビにも出ません。彼がマスコミに出さないように要請しているのでしょうね。何故かな?

2) 教育問題
その不人気を回復せんものとピニェラは大計画を発表。火曜日の夜、全テレビ局を通じて特別教育計画案について演説をしました。何しろ40億ドルを教育にまわすとしました。しかしその40億ドルは新規に用意するのではなく他の予算を削減して流用するようで、はっきりしない点が多く、ほとんど誰からも拍手されなかったようです。野党のほうから、企業へ増税をしてこれを賄うべきと意見が出ています。
学生側は教育を儲けの種にしようとするのは認めらないと主張していますが、教育大臣のラビンは私立大学に投資しています。私立大学への出資者の調査が進むと、私大に投資をしている政治家の多くが与党のUDIの所属でした。野党でもキリスト教民主党なんかの議員の名前が出ています。彼らは土地を買って(もしくは建物を建てて)、大学に貸すという形で投資をしているようです。
ここで面白いのはピノチェット軍事政権時は私立でも大学教育を商売にしてはいけないとされていたことで、民政化のあと、その考えは否定され、軍事政権ならそういう極端な政策は可能だが、民主政権が大学経営に口を出す必要はないと、方針は180度変換されています。
現在の学生連合は各大学の代表が集まって結成されているわけですが、代表の半数以上が共産党員かそのシンパ。彼らが、ピノチェット時代の方針に戻すよう要求するのがなんとも面白いですね。
学生の反政府デモが従来の道路行進から目新しいデモに変わってきましたが、今週はキス・デモとビーチ・デモがでました。男女の学生が集まってプラカードを見せながらキスをするのと、この寒いのに、大勢集まって街の中央の公園で水着姿になって政府にクレームしていました。 
ところで政府が銀行の手先(?)になって学生へのひも付き奨学金を出し始めたのは、ラゴス元大統領の時代とか。
ピニェラはメキシコから戻ってすぐの月曜日に大学学長連合と面談が入っています。