(政治)

1) ボリビア問題
先週、チリ領土に侵入した14人のボリビア兵士は逮捕された後、国外追放されましたが、なんとモラレス大統領は彼らに勲章を授与しました。そして「密輸摘発を目標として活動していた我が軍兵士を犯罪者扱いするとは何事か、チリは密輸を援助するのか」と厳しい攻撃の演説をしました。チリ側はあまりのことに驚いています。
その日、深夜でしたが、6人のチリ警官が14人のボリビア武装兵士を逮捕しました。映画そのものですね。よく両者の間で銃撃戦にならなかったもの。その時の様子が新聞に出ましたが、読んでいて小説より緊張しました。
しかし密輸をチェックするためのボリビア軍が、自国内で行動するのは問題ないが、チリ領内に黙って入り込み、チリ領内で盗まれた車に乗っていたのは言い訳できるのかな?彼らが盗んだか、盗まれた車を取り上げたかでしょうね。
先日、麻薬取締りのボリビア最高責任者の軍人がチリ政府による通報でコカイン販売の罪で逮捕され、アメリカ本土に送られましたが、そこで有罪を認めています。ボリビア軍は上から下までおかしいのか、モラレス大統領は国内政治の緊張をチリとの争いで和らげようとしているのかのどちらかでしょうね。
当分の間、チリとボリビアの会話はなくなります。その分、ペルーがボリビアに接近するのでしょうが。

2) フロリダ区の区長選挙
サンティアゴの南部にある同区の区長が辞任してその席が空席になりました。区長補佐のメンバーが集まって次期の区長を選ぶシステムです。補佐のメンバーの中で選ばれそうだったのが右翼(与党)UDIの人間だったので、左翼側の人間は選挙集会をボイコット。毎回、区長を選ぶ集会は人数不足で流会。異常な事態はいつまで続くのかと思われましたが、今週、社会党党員がその会議に現われ、それで定員になったので選挙が実施され、彼は自分に投票しましたが、結局UDIの人間が区長に選出されました。社会党はこれに憤り、その党員を除名処分にしました。しかし選挙を実施して異常な事態を正常化するのに協力した自党の党員を除名するとはチリ社会党は異常ですね。

3) 学生運動
今週は大きな運動はなし。教育大臣の提案を高校生代表会議が拒否したので来週また大騒ぎになりそう。
週末に、大統領官邸の近くで3千人の大学生がマイケル・ジャクソンの「スリラー」を踊って抗議行動。ちゃんと練習をしたとかで、全員、そろってマイケル風に踊っていました。彼が死んでからもう2年になるのですね。暴動がなかったので放水車も出なかったし逮捕者もなし。
ラビン教育大臣は私立の大学に投資をしていますが、学生たちはこれに抗議し、大臣は教育を投資と考えているとし辞任を要求しています。
ただこの先、正常化が早急に進まないと今年度の学習が終わらなくなりそう。全員が留年になればまた大騒ぎですね。