(経済)

1) チリの会社の経営状況
2010年の結果ですが、経常利益が平均で45%のアップとか。とにかく過半数を超える57%の会社が前年対比利益アップしたらしい。もちろん上位は鉱山会社が占めました。あの大地震の後、誰もが2010年は最悪の年になるとおもいましたが、わずかの期間に正常ペースを取り戻したわけですね。2009年は世界危機でしたから、数字の低いのは当然ですが、2010年にこれだけ取り戻したのは素晴らしい。

2) 銅の値段はポンド4.2ドルと正常化してきたし、チリの株式市場は一本調子に登っているし、ペソは安定して動きません。

3) 厚生年金の最低健康保険額の修正
チリでは厚生年金をもらい始めると最低7%を健康保険にとられます。その額が多すぎると年金者から長い間クレームが出ていました。ラゴスもバチェレットも決断しませんでしたが、ピニェラはとうとう結論を出しそうです。年金受給額の少ないほうから、まず20%の人を対象にゼロに向けて下げていきます。その分、政府の負担が増えます。年金額が月額25万ペソ以上の人はこれらの恩恵は受けられません。

4) コデルコのベンターナ精錬工場が大気汚染で問題になっていますが、とうとう裁判所の命令で閉鎖になりました。ほーっ、チリでトップの国営企業でもそんなドジを踏むのかと驚きましたが、翌日その命令が取り消されました。ほーっチリでトップの国営企業でもそんなせこいことをするのか。(政府が裁判所にあんまりきついことはしないよう電話したんと違う?)
政府内で教育省(工場前の学校が大気汚染で閉鎖されている)、厚生省(病人が続出)、鉱山省、環境省などが集まって、この問題で喧々諤々の討議をしているのでしょうね。
理論は簡単ですね。従来チリでは環境汚染とか考えられていなかったから、銅の精錬所の煙突から何が出ても気にしていなかったわけです。だからこそ他の先進国に比べてチリの銅産業はコストが低く利益が上がっていたわけです。精錬所だけでなく銅鉱山の採掘現場でも同じですが、環境対策にかける費用が先進国より極端に少ないから利益が高いわけですね。これはチリの資本の鉱山だけでなく、外国資本の会社でも同じ。せこいやり方で大きな利益・・・。