(政治)

1) 今週の話題は妊娠前後の休暇延長でしょうね。長い期間、討議されていましたが、ここに来てやっと政府案が完成し国会に送られます。給料が約65万ペソ以下の女性には6ヶ月間の産後休暇が与えられます。ほとんどの国より長くなりました。日本は18週ですね。野党側はこれでも十分でないとコメントしていますが、自分たちが20年間も政権をとっているとき、この法案をださなかったのに?

2) ピニェラの外遊
イタリアで首相に会う前に、そこでプレーするチリ人サッカー選手と面談。
それからバチカンローマ法王の手をとり、ついでイスラエル。そしてパレスチナ、ヨルダンを訪問しました。つい最近、チリはパレスチナ国を承認しましたから、そこでも歓迎されました。帰国する前にスペインにも立ち寄ります。   
毎月発表される大統領、政府に対する国民の支持・拒否の数字は依然としてピニェラにとって芳しいものではありません。市民の安全(対犯罪、厚生・健康)に対する政府の方針がしっかり見えないので、何かのイベントで、支持率が上がったり下がったりし、一定化できないと思われます。

3) チリとペルーの間で争われている領海問題はハーグの国際法廷でそろそろ結果が出そうです。それに先立ちエクアドルのコレア大統領は公式に領海問題について文書を作成しましたが、それによるとエクアドルはペルーとの間の領海に関する合意事項(1950年代のものですが)を尊重するとなっています。
それはペルーがチリとの間で既に合意されている事項を変更しようとするのはおかしいとなるらしい。つまりエクアドルがペルーとの間に空間を保ち、チリ側に立った見解を公式にしたわけで、チリにとって大きな援助になります。
この夏休み、ピニェラは彼を招待して南極のチリ基地に遊びに行きましたが、ちゃんと効果はあったわけですね。

4) サンティアゴのフロリダ区はチリで3番目に大きな区役所ですが、その区長(全国レベルでは市長ですね。彼は社会党)が健康の問題から辞任しました。そのため同区の区会議員の中から次期の区長が選出されますが、なんと左翼側の一人が右翼の候補を推すとしたため、次期の区長は右翼になりそうです。野党連合は面子がありますから、なんとかしてそれを防ごうと作戦を練っています。
それだけでも来週の選挙が面白いのに、右翼の中の争いも出ています。次期区長になりそうなのはUdI党のカーターですが、彼は同じ側のRN党のサバと区会議員の席を争いました。その時、サバ候補の事務所が誰かに襲われ、裁判沙汰になっていますが、それがカーター候補側の人間による行為だと言う噂があり、同区のRNはカーターに投票しないと表明。えっ?野党側が統一意見がなく、与党側も内部分裂?じゃ最後は誰が(どっちが)勝つのかな?
最近、私が言っているように右翼も左翼も同じ、政治家は誰も信用できないという例かな?

5) アメリカのウィスコンシン州労働争議のニュースは2週間遅れてチリの新聞に掲載されました。2週間遅れが面白い。
民間の労働組合問題は全国レベルで、公共労働者の労組問題は各州で独自に扱うというのがアメリカの仕組みとかで、ウィスコンシン州の場合、教職員を含む公共労働者の待遇は州知事が州議会の承認で決定できるわけです。
今までの州知事は選挙で労働組合の票がほしいので、州の金を使って労組を甘やかしたとなっています。親方星条旗ですからね。しかしこの状態がいつまで継続するのか、他州への影響はどうなるのか、重大ですね。