(政治)

1) 今週のトピックスはプンタアレナスの反乱ですね。第12州の天然ガスが来月から16%値上がりすると言うので市民総出で?抗議行動。同州選出の国会議員は全員政府の決定に抗議し、与党側からも反対の声。
しかし・・・ピニェラ政権はそれに動じないで、値上げを堅持の姿勢。ENAP(国営石油) の説明では同州には特別価格を従来から適応しており、チリのその他の地区向け価格よりはるかに安いらしい。
同州には15万人が住んでいるが、一般家庭では平均月350M3の消費があり価格は26000ペソ。首都圏では58M3の消費で価格は38000ペソ。確かに12州の天然ガスの値段は非常に安いですね。これが新価格では月4000ペソほどの値上がりとか。
抗議行動のために飛行場とプンタ・アレナスをつなぐ道などが封鎖され観光客は大変な迷惑。多くの店が閉まっているので食事も出来ないみたいです。この状態が続くと市民生活にも影響がでてきますから、仲間割れも起こるでしょうね。アルゼンチンに救援を頼むグループもあるとか?
またいつものようにカトリック教会に協力を依頼し、政府と市民の仲立ちを要請。政府の取る策として値上げ撤回、先延ばし、値上げ額を下げるなどが考えられますが、ピニェラはどの手を選択するかな?
同じような問題が起こったボリビアでは、ガソリン価格値上げを撤回したにもかかわらずこれまで高い支持率を誇ってきたモラレス大統領の支持率が最悪のところまで落ちました。同大統領はガソリン値上げを理由に値上げした市民の交通手段たるバスやタクシー業界に値上げ撤回を要請。誰が大統領で、国をどう動かそうとしているのか不明になってきました。チリはそうならないかな?


2) 内閣改造
ぼちぼち改造と言う意見とピニェラ政権は最後まで一人も変えないで押し切ると言う意見がありましたが、今週、大きな波乱がありました。
土曜日の新聞のトップに大ツナミ!とした新聞もありました。4人大臣の入れ替えです。きっかけはラビネット防衛大臣が辞任したことでしょう。彼は昨年の大地震の後、軍隊が仮設橋を購入した費用が不透明とされ国会に召還されましたが、軍事関係の経費は明らかにする必要がないとの法律がこれに適応するとし回答せず。しかしその討議が終わったあと、マイクが切れていると思って臨席の同僚に「あんな値打ちのない橋についてこれほどもめるとは」と言ったのがニュースに流れてしまい、それを咎められたもの。口は災いの元ですね。
彼は今は野党になってしまったキリスト教民主党の出身ですから、ピニェラ政権の閣僚に就任した当初は裏切ったと言われたものです。いまさら、古巣のDCに入れてくれと擦り寄るわけにもいかないと思いますが、どうでしょう。
それにつれて他の3大臣も更迭されました。新大臣のうちの二人は与党を形成するRNとUDIの中心メンバーで、ピニェラとは過去に何度も衝突していましたからやや意外な気もしますが、これも「ピニェラ式」のやりかたなのですね。
新政権に昔の与党DCのラビネットを加えたのは話題性を呼ぶためで、別にそのラビネットでなくても良かったはず。したがって彼を切り捨てるのは簡単だったに違いない。それを今回の内閣改造に当てはめると、新防衛大臣のアラマン、新労働大臣のマテイは話題性としては抜群です。今まで政党関係者をほとんど大臣に任命せず技術的な任命をしていますが、今回はピニェラ政権を支える2党の顔を立てたことになります。両者とも現職の国会議員ですから議員を辞しての入閣になるが、両者の属する党は彼らの代わりの議員を国会に送り込む権利があります。つまり各党の議員数は減りません。
しかしこれを「ピニェラ方式」と見れば、次の問題が出たときに、少なくとも片方は内閣からはずされる可能性は高いでしょうね。