(政治)

1) 1973年の軍事革命の直後、アルゼンチンでチリ陸軍将軍のプラットとその妻が暗殺される事件がありました。チリ陸軍の秘密警察ディナの関係が明らかになっていましたが、とうとう今週、その事件に関連する犯人に判決が出ました。ピニェラ大統領はその判決を尊重し、陸軍長官もこの事件は陸軍として受け入れがたい犯罪と同調しました。ピノチェットの時代では考えられない反応です。当時、陸軍の中でもピノチェットの独裁的軍事政権に反対するグループがあり、それを封じるための最善策が、リーダーたる彼の暗殺だったのでしょう。しかし左翼中道政権の時代ならともかく右翼が政権を取ったのに、反軍事政権の考えが現在の政府・軍部にも新しい風となって吹いているわけですね。チリの成長を祝いたいです。

2) 犯罪の増加を抑える手段として政府は現在の裁判システム(回転ドアと揶揄されている)を変更し犯罪者の取り扱いに厳しい姿勢をとると発表しました。選挙前からの公約ですから、遅い気もしますが、ちゃんと手を打つかな?

3) 最終的に鉱山会社にかけるローヤリティ税に野党が賛成せず成立しませんでした。これで与野党間の対立が鮮明になりました。両者とも鉱山からの税金をアップしてそれを地震の復興に当てると言う点では一致していたのですが・・・。

4) バチェレットは政治集会で自分たちの20年間の政治体制を擁護し、現在の野党が築き上げた社会体制の擁護を訴えました。せっかく作り上げた体制が現政府で悪くなる可能性もあるとしたわけです。国会でバチェレット政権時代の不正支出問題を探る委員会が設定されましたが、その委員会設置には与野党の合意がありました。つまり野党側も自分たちに不正はないので両者で調べましょうとしたわけです。