(政治)

1) 地震の復興費用の捻出問題が尾を引いています。税金を上げる、上げない、どの分野でその変更をするのか、印紙税などをどうするかなど、与野党の対立だけでなく与党内部でも政府案を承認しない動きも出ています。
さて復興作業ですが、サンティアゴの高速道路で崩壊した部分の再建築工事が始まりました。まず飛行場近くの北ベスプシオ通りからです。1ヶ月で完成の予定らしい。
これらに関連してですが、雇用促進のための政策として、今まで新会社の設立のためには多大の時間と費用が必要でしたが、それを大幅に削減する案が政府から出されました。この分野は長い間商売をしてきたピニェラの得意の分野ですからね、今までの政府より上手く運営するのは間違いありません。
しかし彼が所有するテレビ局(チレビション)の売却は決定していたと報道されていましたが、ドタン場でそれがキャンセルされ、新たに購入者を選定し始めたとか。しかし選挙前の公約を守らないピニェラですね。

2) 防衛予算
ラテンアメリカでチリは軍事予算の比率が2番目に高い国と発表されました。国民総生産の3.5%とか。1位はコロンビアで3.7%、3位はエクアドルの2.8%、あのおかしなべネスエラでも1.4%ですからね、チリの政府ももう少し考えたほうが良いのでは。この競争でトップになんかなってほしくないですね。

3) 野党各党の動き
ニュースには全部でないのでしょうが、野党各党は独自に新党首選定の最中で、同じく中道左翼連盟の見直しも行われています。中道のキリスト教民主党(DC)は野党連合の中にとどまるか、現政権の国民改革党と連合して中道連合を結成するか模索中(もちろん表立ってではないですが)。
それからどの党も現在のリーダーは自分たちの権利を譲りたくはないが、古い顔の継続では次の選挙で国民の信頼を勝ち取るのは不可能。じゃ誰が新しい顔になるのか・・・と言う戦いですね。

4) テレトン
テレトンと言えば、チリ名物になっている年に1度の貧困層救助のためのチャリティショーですが、先の大地震の時もこの組織が同じチャリティショーを実施し目覚しい活躍をしました。なにしろ450億ペソの救済援助金を集めましたからね。バチェレット政権はその組織の会館建設に40億ペソの援助を約束しましたが、実施が実行されないうちに政権が交代し、ピニェラは当初、援助を承認しませんでした。それでも、2週間前に1億6千万ペソまで認証しました。こう書くと、なんだその組織はバチェレットの仲間で、ピニェラとは上手くいっていないのだなと思われそうですが、テレトンの総指揮を取っている人間はピニェラの個人的な友人とかで、政治の世界は一筋縄では行かないことを示しています。