(一般)

1) 軍隊が前面に
アルゼンチンと戦争と言うのではありません。地震の復興作業に軍隊(特に陸軍)が前面に出るということです。彼らは人員と機械を持っているので、壊れた家屋の処理、道路・橋梁の修理などお手のものです。しかも役所は高い費用を業者に払わなくても良いわけですからね。今年中、このプランを実施したいと陸軍長官はコメントしています。反軍隊の意識の強いチリの左翼陣営にはあっと驚くニュースですね。
地震のニュースの続きですが、政府は25億ドルを住居の再建に当てると発表しました 。現在の数字では37万件の破壊が報告されており、(全壊8万件、半壊11万軒などの合計)これを政府の補助で再建しようとするもの。実施は2010年と2011年の2年間。また5月までに2万件の簡易住宅が完成するらしい。まだ2千軒くらいしか建設が終了していないので、被災者は政府の仕事が遅いとクレームしています。
さてコンセプシオン地震の象徴のようになったマンションの崩壊で、アルト・リオと言う名前ですが、手抜きがなかったのか調査が始まるようです。その工事期間が非常に短かったのは既に確認されているらしい。M8.8ならどんなビルでも崩壊すると思われますが、コンセのほかのビルはなんとか持ちこたえましたからね。このビルに問題があったのかな?
欧米の専門化がチリに来て大地震の現場を調べた結果、チリは60年、85年の大地震を考慮したビルの建設を実施したので、これだけの大地震にもかかわらず被害が少なかった。特に高速道路、地下鉄の被害は極めて少なかったのは特筆できる。問題点としては川沿い、海沿いなど地盤の弱いと考える地点に建物の建設を許可するのはどうだろう、また地震があったとき、被災者の救済に最初に必要な病院の施設が多く破損してしまったのは考慮する必要があるだろうとのことでした。なるほど。先日チリを訪問した日本の調査団はどんな結論を出したのでしょうか?
この地震の後、家屋の販売に大きな変化が見られます。とにかく高層アパートの人気が下落し、前年対比4%のダウン、一方、一軒家は大人気で156%増になっているとか。
チリでは3月から新学年が始まりますが、まだ学校が始まっていない地区があります。それでもその70%は4月26日までに開校することが決まりました。テレビのニュースで校舎は出来たが、水が無いので授業が始められないというところもあるようです。

2) 青年闘士の日
3月29日は毎年、警察とデモ隊が衝突することになっています。昔、日本で国際反戦デーがありしたが、そんなん覚えている人はいないかな?10・21でしたが。
チリでは25年前に二人の青年が警察と衝突したときに銃殺されたのを記念する日です。反軍事政権の動きの一つですが、それが現在まで継続しています。今年から右翼政権になったので、この動きは一掃派手になるかと思われましたが、結果は過去10年間で最も静かな夜でした。53人が逮捕されましたが、道路の封鎖、停電、死傷者が続出と言う最悪の事態はなし。手製の銃などを持って街頭に出て派手な立ち回りを見せようとしたグループもありましたが、警察が上手く取り込んだということでしょう。じゃ今までの左翼政権は彼らの立ち回りを許していたのかな?

3) 夏時間の終了                                
とうとう夏時間が終わり、この3日から自然時間に戻りました。朝、アパートを出て会社に行くとき、もう暗くはありませんが、戻ってきてトレーニングをするのは街灯の下になります。

4) 通行規制の開始
サンティアゴコンセプシオンで通行制限が始まりました。サンティアゴの場合、排ガス対策のされていない車は番号の末尾の数字で4桁が通行できません。大気が汚れて準非常事態になったときは 排ガス対策車にもこの通行規制が行われます。現在約112万台の車が都心を走っていますが、そのうち85%が排ガス対策車です。この規制は8月末まで継続されます。
サンティアゴの場合、この30年間、同じように大気汚染問題が繰り返され、政府の無策振りが明らかです。何でもメキシコ・シティはこの数年で40%も大気汚染が減少したそうですが、見習いたいですね。
しかし良いニュースもあります。サンティアゴの中心を流れるマポチョ川は街の汚水排水が流れ込み、汚臭を発生していましたが、今回工事が完了し、この川に汚水は流れ込まなくなりました。つまり綺麗な川に変わります。以前ピニェラが提案した「マポチョ川に遊覧船」と言う計画も夢ではなくなりました。彼の政権の間に観光客が船に乗ってサンティアゴを川の上から遊覧することになりそうですね。もちろんその時は私も乗ってみたいです。
最後に、メトロの運賃が上がりました。10ペソです。しかし日本円にすれば2円ほどの値上がりで、これでも営業の収支改善に役立つのかな?