(経済)

1) チリ経済に与える影響
GDP国内総生産に与えるマイナスの影響は予想より少ないだろうと見られ始めました。地震なしの場合今年度の成長は5.0%と予想されていましたが、この地震を考慮するとそれが4.0%に下がる見込み。(JPモルガンなんか地震込みで5.5%アップの超強気を推定しています)それも第1四半期は大きく下がるのに比べ、第4四半期では地震なしの想定より逆に上の数字が出るらしい。1985年の大地震のときは年間数字は1.7%アップと低い数字で終わったが、その時より被害の大きい今年の予想が意外と上なのはチリの実力が上がっていることの証だろう。
対ドルで切り下がっていたチリペソがこの地震で逆に切り上がり、1ドル511ペソになりました。エウロも693となり、少し前の700ペソを割っています。これなんかチリの実力でしょうね。
さらにチリの頼みの綱の銅の価格も1ポンド3.39ドルを保ち、3ドルを超えれば楽勝と言うコストを考えれば、地震の後始末に銅の利益がピッタリ決まりますね。
私はチリの将来は明るいと思っています。隣国と違ってチリの信用度は極めて高いから、亀裂などがあちこちに発生した破損した高速道路の補修を始め、インフラ整備の費用はIMFなどから国際的に借り入れ可能と見ます。しかも銅の価格が高めのまま継続すれば、その支払い速度も加速され、近年中に借金を払い終える可能性もあるのではないか。その時、チリは地震の前の状況、もしくはそれより高いレベルに到達することは間違いないだろう。
2) 株式市場
地震が起こった次の月曜日、当然ながら平均株価が下がった。しかし、その下がり方は予想より緩やかで月、火、水と下がった後、木、金と逆に上昇。金曜日の段階では地震前の数字に後1%まで迫っている。これも投資家がチリの将来に安心感、自信を持ったことに他ならない。チリの大企業で地震の影響度を調べたところ、ほとんど影響のなかった会社、また軽度の影響を受けた会社が多く、被害の多かったのはワイン、木材、小売業、漁業、観光関係となっている。
3) 運輸関係の設備状況
港湾関係では第5州の港、バルパライソとサン・アントニオは既に90%まで能力を回復の由。
(来週、仕事で火曜日にバルパライソ、木曜日にサン・アントニオに行きますので様子を見てきます)しかし第8州のサン・ビセンテ港とタルカワーノ港は全く機能していません。
一方飛行場は、空港設備に問題を抱えながら開港しました。カウンターはテント張りの中で行われているそうですが、非常事態ですからね、しかたありません。
しかし短時間でよくここまできたものです。国内線は95%、国際線は80%が運航されている由。
ついでにバスの便ですが、サンティアゴからコンセプシオンに行くバスは、便数が少なくなっているのでほとんど満席で、当分は空席待ちとか。こういう場合によく起こる値段の吊り上げは・・・今回もあり、乗客が憤っている。
鉄道は残念ながら線路のゆがみが目立ち、復旧の見込みはまだ立っていません。