(政治)

1) 新政府の大臣発表
予定通り、火曜日に新大臣の発表がありました。従来なら事前に何人かの大臣の名前が漏れていましたが、今回は直前まで秘密が守られ、発表当日の朝刊に何人かの候補者名がでましたが、それまではたんなる推定・憶測にせよ大臣の候補者名がメディアに出ませんでした。これは新内閣の組閣に新与党の2大政党(UDIとRN)がほとんど関与していないことを意味しています。従来の人事と大きく変わり、22人の大臣のなかで政党関係者はわずかで、大半は学識経験者か現実に民間企業のトップレベルで働く人間でした。(彼らは大臣になると給料は半額になるようですが)
それから不思議なことに大半の人間(17名)がカトリカ大学の卒業生で(チリでは国立のチリ大学と私立のカトリカ大学が双璧とされています)、大学院はアメリカ(ハーバードなど)でした。平均年齢は49歳、最年少は32歳でした。女性大臣は6名です。以前、大統領候補になったラビンが教育大臣に起用されました。
噂はやっぱり真実でした。現与党体制で大臣を経験した人間が新政権の大臣につきます。キリスト教民主党のラビネットです。もちろん、入閣発表前にキ民党を離脱する手続きを行っています。彼を昔の仲間が、裏切り者とののしっていますが、彼はそれを気にしていないようです。国のために働けるのなら、ラゴスとでもピニェラとでも働きたいとか。どうですか、読者の皆さんは彼の見解に賛成ですか、反対でしょうか?
これは政界変動のその1歩で、キ民党が二つに別れ、現与党に残るグループと新与党に入るグループが出てくるでしょう。まぁそれは私が何年か前から言っている事ですが。
3月の交替を待たず、既に新旧大臣の面談が開始されました。今までの敵に政権を渡すわけですから、この両大臣面談はお互いに複雑な心境でしょうね。わが省は実はこんな問題を抱えていますなんて言えるはずがないし。
来週には各省の次官人事が発表されますが、また驚くような人事があるかな?新与党側は組閣ではピニェラの自由を許したから、来週は政党関係者を選んでくれと要求しています。
ここまではピニェラの作戦が当たっていますが、彼の持つ各社の経営権をどう手放すかについては不透明です。選挙に出る前から、政治と経済の世界は別のものだから、大統領職に着く前にランチレ航空やチレビジョン(テレビ)などの株は全部売ると明言していたのに、全く実行されていません。今週、ラス・コンデス病院の株を売ると発表されたぐらい。
テレビ局の場合は非営利団体を設立してそれに経営を任せると言い出しましたが、良くわかりません。公約を守るのかあやふやにしてごまかすのか、資産を明確にして、それがどうなったのかはっきりさせてほしいもの。
バチェレットは別荘に行ってバケーションを楽しんでいますが、ほとんどニュースに出なくなりました。昨年までなら、別荘の周りに記者が張り付いていたのですが。しかしサンティアゴの戻ってから、3月に大統領責任を終えるまで、ほとんど外遊ですごすようです。もうチリのことはピニェラに任せるということかな?大臣や次官などは次の就職先を探さなければいけないでしょうね。

2) 労働連合のトップがピニェラに私たちの力を見せ付けるを意気込んでいます。社会党の新しい党首が、労働組合と手を組んでピニェラ政権と対決すると力んでいます。どちらも情けないですね。何かの理由があって政府と対決するのは理解できても、今回の政権交代は自分たちのエラーから起こったことを忘れているようです。