(経済)

1) バチェレットの任期の最後の年になった2009年は国家財政が一気に悪化した年になりました。なにしろ財政赤字が72億ドルだったとか。歳出が対前年で18%も増加しましたが、これは予算を4.5%も上回るもの。バチェレット政権は世界経済危機をしのぐための緊急時の支出だったと説明しています。もちろんこの赤字は緊急時のための隠し財源から支払われています。

2) 失業率の低下
4ヶ月連続で数字は下がり、8.6%になりました。失業率の低下は実に喜ばしいニュースですね。アメリカは最悪状態から抜け出せないし、欧州でもスペインなんか約20%近い失業率とかで政府の無策ぶりを示しています。その点、チリはすばらしい。

3) しかし銅の価格は異常に高いですね。1月の平均価格は1ポンド当たり3.35ドルで08年8月以来17ヶ月ぶりの高い数字。昨年の1月はわずか1.5ドルくらいでしたからね。おかげでチリの株式市場は堅調でこの1月の通算で6,4%の上昇を見せました。

4) しかし為替のレートはいったいどうなったのですか?先週までペソは対ドルで一方的に切りあがっていたのに、今週急速に切り下がりました。それも木曜日なんか1ドル528ペソまで下がりましたからね。最後の9日で39ペソも下がっています。厚生年金会社グループがドル買いに入ったからと言われますが、経済素人の私には全く理解できません。銅の値段が堅調で、失業率も下がり、経済成長も順調に回復しつつあるチリの通貨が、失業率は高く、経済復調に高速鉄道建設を考えているアメリカの通貨に大負けするなんて???新幹線がアメリカ全土に必要とはとても思えませんが、チリの鉄道失敗と同じケースになるのではないですか?しかしアメリカの失敗はさておきドルが強くなるのは不可解です。

5) シティグループが5億ドルでチリ銀行(バンコ・デ・チレ)の25%を買収しました。しかしこのアメリカの銀行は先年、経営不振で先を危ぶまれたと思っていましたが、チリの銀行に投資する余力がまだあったのですね。失礼しました。チリ銀行はサンタンデール銀行についで09年はチリで2番目に利益を出した銀行です。