(政治)

1) 大統領選挙
不思議ですね、全然盛り上がりません。何でかな?与党側はこれに負ければこれまで4代続いてきた政権を野党に受け渡さなければいけないのですが、その悲壮感・緊迫感が伝わってきません。もう勝つ可能性はないと諦めたのかな?それとも逆転に向けて必殺技があるんかな?ピニェラの獲得した票は45%だから、他の2候補の得票を集め取れば、フレイに勝つ可能性は残っているのですが。
1月11日にこの二人の候補者の間で討論会が実施されます。まぁ新味のあることは出てこないでしょうね。お互いの攻撃材料は以前と同じく、フレイの場合は麻薬犯罪者を恩赦したこと、ピニェラの場合はタルカ銀行の不正取引で罰金を払っていることとランチレなど会社オーナーを継続していることでしょう。
ところで公立病院などの医療材料を供給する幾つもの会社が政府からの支払いが滞っていることをクレームしています。当然ですね。約束の日が来ても政府が支払わないというわけです。総額23億ペソと言う巨額なものですが、結局未支払いのままバチェレットは逃げると見られています。ピニェラが政権をとれば、こうした前政府の不始末から手をつけることになるわけですね。

2) ペルー問題
何だか忘れ去られていた問題ですが、チリでもスパイ問題を裁判所を通じて正式に調査することになりました。どこまで本気でやるかは別にしても、ペルー側要請が通ったわけですね。

3) 国鉄不正裁判
国鉄の元総裁や元幹部が不正を繰り返したとして訴えられていた裁判で、そのような事実は発見できなかったとする判決が出ました。まだ一部の係争事項に継続疑問が残るようですが、基本的な事項についてはほとんど無罪となりました。元総裁などは、「自分の無罪が証明されて非常にうれしい。長い時間が経過し、自分の家族、友人などに多大のご迷惑をかけたが、これでまた昔のように堂々と生きていける」とコメントしています。しかし数え切れないほどの罪状がすべて無罪だったとはとても信じられません。この元総裁(キリスト教民主党)や国鉄幹部は与党の政党と関係ある人間ばかりで、どこまで裁判所が中立を保って、彼らの裁きを実施したのか、知りたいものです。
どこかの会社にサービスをするようオーダーを出し、そのサービスが全く実施されていないのに支払いをしている例など、明らかにその金が誰かのポケットに入っているわけですよね。もちろんそれが元総裁なのか、どこかの政党の選挙費用になったのかは知りませんが。
元フレイ大統領の殺害容疑でも、同じように良くわからない事態が継続中です。すなわち、医者グループが共同声明を出しました。それによると、殺人容疑で逮捕された自分たちの同僚の医者の経験・知識は超一流で、元大統領の死因に不振な点はないとしています。素人の裁判官が認識することとプロの医師が理解することにはおのずからレベルの差があるのは当然でしょうが、殺人となると医師グループには理解不能な点もあるのでは?