1) この金曜日、第3回の大統領候補の討論会がありました。なんと朝9時に始まったので通常なら見る可能性はありませんが、たまたま旅行中だったので、出発を遅らせ、ホテルの部屋のテレビでこれを見ました。今回の討論会の中心課題は地方問題で、首都圏サンティアゴにすべてが集中するチリの現状を改め、いかに地方の発展を図るが課題でした。もちろんいろんな見方があると思いますが、全員がカメラを見ながら、自説を披露しているのに、一人与党候補のフレイだけが、原稿を読んでいるのが目を引きました。それからパンフレットに彼の属する政党の名前が書かれていないなどと噛み付いてきた独立系のマルコ・エンリケにピニェラは「君はピーターパン症候群の患者だね。君は与党も野党も間違っているという見方をしているが、君はその与党に20年間所属していたのだよ。それをすべて忘れて、既存政党はおかしいとするのは全く理解不能だ」と厳しく切り捨てました。もちろん二人の論議が続きましたが、これに関してはピニェラの勝ち。来週、最後の候補者討論会が予定されています。
フレイは回転ドアと評される現行の犯罪者の裁判システムについて、これは司法の問題とし裁判所(裁判システム)を批判しました。もちろん裁判所側から、それは受け入れがたいと反論が上がっています。
またフレイは自陣の応援部隊に元建設大臣を任命しましたが、その男は、大臣職の間に貧困者用の住居の建設を指示しましたが、出来上がった家屋が全く雨に対する機能を持っていなかったことから社会問題となり(雨が屋根から、壁から家の中に入ってくる) また業者から競争馬のプレゼントと受け取っているのが分かり大臣職を首になりました。それをメンバーに加えたところ、世論の批判が厳しく、いくらも立たないうちに任命を取り消さざるをえなくなり、人を見る目のないことを暴露しました。
それから大蔵大臣が国会に出向いたときのことですが、彼のPCにフレイの就任100日と関するデータが入ったのが確認されました。誰かがちゃんとカメラで座席の上から彼のコンピューターを監視していたのですね。で、現役の大臣が就業時間中に一候補の応援をしているのは業務違反と追及されています。まぁ潔くよく辞任してフレイ陣営に参加すればよいのですが、バチェレットとしても政権の最後の日まで彼を必要としているのであからさまには彼の批判は出来ません。どうなるかな、この先?
2) 陸軍司令官の交代
現在の長官イスリエタは他の8名の高官と共に来年3月に引退しますが、その後任にフエンテ・アルバが任命されました。しかし彼は人権問題に関連している疑いがあると一部の組織から疑問の声が上がっています。1973年の軍事革命時に軍隊にいれば、否が応でも人権問題に関連しているのは間違いないでしょうが、どうなるかな?