(政治)

1) 今週は大統領選挙の動きより、マプチェの問題、教師のストが話題になりました。でもまずあと50日に迫った大統領選挙の話から。劣勢の与党側候補フレイは話題を集めるため陣営の再建を図っていますが、今週は現職の女性担当相を引き抜きました。バチェレットの激励を受けて彼女は大臣職を辞任し、フレイ陣のメンバーに参加。同じくバチェレットの家族では母親 (老齢ですから、現実には顔見世だけでしょうが)と息子が参加しました。ピニェラはこれに対し大臣は選挙応援をするのではなく、国民のために働いてほしいとクレーム。
それでもまだ足りないと考えるフレイ陣営は、バチェレット政権で国民の間で最高の信頼感を誇る大蔵大臣の引抜を図っています。もちろんこれはフレイの人気が一向に上昇しない情勢を懸念したバチェレットが、内閣を解体しても (ごめん改造してでも) フレイ援護をするつもりでしょう。でもこれらの動きは決選投票に勝ち残ってから行うはずだったのでは?
また野党側国会議員は、以前から問題になっている空軍のミラジュ戦闘機購入時の不正事件にフレイが関連していると記者会見で発表しましたが、この先、尾を引きそうです。そんなんせんでもフレイに勝ち目はないと思うけどね。
若手のエンリケは先日のアルゼンチン、ブラジル訪問に続き、今週はエクアドルを訪問し大統領と面談。しかしコネがあるものですね。単なる第3候補者なのに各国で大統領が彼のために時間を作るなんて。もう第3ではなく第2候補者かな。

2) マプチェ
明治の頃は北海道で日本対アイヌの戦いがあったのでしょうね。チリのマプチェの戦いは日に日に拡大するようで、活動家は私たちはチリ人ではないとまで言っています。一部のイースター島の住民は以前から自分たちはチリ人ではない、チリ政府が勝手にこの島の領有宣言をしただけだとしていますが、同じようなことでもマプチェの場合は、その数からしても、本土の多くの州に関連することからイースター島問題とは重要性が違います。
今週も彼らと警察の衝突があり、双方に負傷者が出ています。そしてそのうちのマプチェ側の重傷者の行方が分かりません。どこにかくまわれているのかな?

3) 教師のスト突入
歴史的負債と言うタイトルで過去の約束の不履行分を支払えと教師組合は政府の対応を求めてきましたが、政府がそんな負債は全くないと冷たく拒絶したのでストに突入しました。これは裁判所でも論議されましたが、判決は負債なしでした。しかし国会でこれを論議する委員会が設けられ、そこでは13億ドル以上の未支払い分があるとされています。
これで当分、大多数の公立の学校は授業がありません。年末恒例の全国学力テストは延期されましたが、大学入試が迫っているし、このまま授業がないと学年が終わりません。今年は全員落第と言うわけには行かないので、ストの後、クラスを続けると夏休みがなくなるわけですが、それももめるでしょうね。
公立から、私立の学校へ子供を移す家庭が増えてきそうですね。
しかしこれは社会問題になり、次回の選挙に大きく影響しますから、与党の中にも政府を批判する動きが出てきそうです。バチェレットの動きは全くありません。

4) 「硝石作戦」となずけられたチリ軍隊と国際空軍の合同演習がアントファガスタで実施されました。ブラジル、アルゼンチンなどの近隣諸国にフランス、アメリカも参加。これに参加しなかった隣国ペルーの新聞に「バチェレットは第2のピノチェット」とする記事がかかれました。しかしペルーって対チリでは全員が団結しますね。