(経済)

1) 中銀の発表では2010年のチリの国民総生産は5.5%アップになるだろうとのこと。しかしこの数字は識者にはあまりにも甘いと見られている。もちろん選挙対策がからんでいるのだろう。チリ経済の基盤となる銅の価格見込みは来年は1ポンド当たり2.6ドルを想定らしい。
しかし逆に09年は当初の予想よりさらに悪く、最悪マイナス2%まで落ちるとしている。じゃ、最近政府が緊急事態は切り抜けたと繰り返しているのは真実ではないということかな?

2) 自由経済ランキング
アメリカのある機関の発表ですが、世界各国の経済を比較した結果、もっとも自由なのは香港、続いてシンガポールニュージーランド、スイスそして5位にチリが入りました。6位はアメリカです。しかしチリがこんな高い評価受けるのはなにやら恥ずかしい気きもしますが、ちゃんとしたところがそう発表しているわけです。日本は28位とあまり自由でも透明でもなさそうですね。

3) デジタル・テレビの新方式
過去30年でもっとも大きな変更と当地の新聞の大見出しになりましたが、チリは隣国と並んで日本方式を採用しました。隣国とはブラジル、アルゼンチン、ペルーです。欧州方式が世界を席巻しつつあるなかで南米が日本方式を主に採用していることは注目できますね。これで日本も面目が立ったわけです。新方式のテレビは2010年から販売されるそうですが、価格は現行より100ドルほど高いらしい。また現行方式のテレビで、新方式システム放送をキャッチするためのアダプターは50ドルほどかかるらしい。
もっとも日本方式を採用したブラジルでは新方式がいまだに目覚しい効果を挙げていないと、日本方式を疑問視する声もでているようですが・・・。

4) 中古自動車の販売
順調に販売が推移。経済危機以前のレベルまで戻った由。どこまで順調が継続するかな?

5) アメリカが中国製のタイヤの輸入制限
私はリキャップ・タイヤの仕事を担当していますが、今週、社長からそれがチリのタイヤ市場にどう影響するか注意するように全管理職宛にメールが出ました。これに対して私は、「これは政治的な匂いがすること(同じような状況が以前から続いているがブッシュの時代にはこの処置が取られなかった)小物タイヤ(乗用車と軽4輪)ではアメリカ製と中国製は競合せず、アメリカタイヤの輸出減は今のところ起こっていない、さらに中国のタイヤ工場のオーナーにアメリカ企業も顔を出している」としました。
実際、今週ワシントンで五十万人とも百万人とも言われる大規模な反政府集会がありましたが、オバマの「大きな政府」方針に国民が反対しているのがはっきりしてきました。銀行をつぶさないため国の金をつぎ込んでいる中で、銀行幹部が巨額の報酬を得ているのは誰も許さないでしょうね。また同国で新車の売り上げが増えたといっても政府の援助で表向きの値段が下がっただけの話で、そんな状態が長続きするわけが無い。オバマが中国タイヤを叩いたのは労働組合との間の話からでたことで、先に書いたように実質的にアメリカ製品に大きな損害が出ているわけではない。逆にこれで中国との関係が見直されることになり、これからのアメリカ国債の最大購入者の中国がどうでるか注目される。
チリの場合は中国製のトラック・バスタイヤがその安い価格を武器に市場の50%をしめ席巻しているのは悲しい事実ですが、チリが銅の最大購入先の中国にこうしたクレームを入れるわけがありません。ねっ。