(一般)

1) マプチェ問題
しかしこの問題は続きますね。この土曜日、チリ日系人大会で出会ったテムコの弁護士はこの問題に深くかかわっているそうですが、彼によると、やっぱり政府の弱腰、政策の変更が問題を終了させない根本原因としています。テムコ周辺は確かにマプチェ族の人口密度が高いのですが、彼によると反政府運動を実際に行っているのはマプチェ族の中でもほんの少数で、大多数は自分たちの問題と捉えていないか、逆に放火、狼藉、不法行為を繰り返す仲間を快く思っていないとさえ考えているらしい。
農園の不法占拠を抑えようとした警察とマプチェの衝突で、マプチェの青年一人が警官の発砲で死亡した事件は既に報告済みですが、その死体の検査の結果、身体の後ろから銃弾が貫通していること、死体に銃を使用した(発砲した)形跡が無いことが確認され、警察側の、「死者は銃を持って警官に向かってきたのでやむを得ず発砲した」とのコメントは事実でないことが分かりました。このためその警官はまだ留置されています。ただし世論調査の結果では、首都圏ではこうした場合の警察の銃の使用を疑問視する声が大きいのですが、現地のテムコでは容認するとする声が多数を占めます。
それからこの問題について内務大臣が国会で説明していたところ、野党議員がその説明に疑問をはさみ、とくにテロリストとして逮捕されていた人間を政府が恩赦したことをなじりました。大臣がそれを否定すると、その議員は恩赦に関する書面をもって彼の席に近づき、その紙を大臣に投げました。大臣はそれを拾うと投げ返し、暴言を吐いて・・・・彼をなじりました。もちろんその夜のテレビのニュースで何度もその場面が繰り返されましたが、バチェレットは恥ずかしい限りと野党議員を批判。でも本当はその野党議員が言っていることが事実か、単なる誤りか証明してほしいものです。
ところでその恩赦の対象になった人間は、フレイ大統領(当時)が現地を訪問したさい、彼に「ここはマプチェの領土だと知っているのか」と叫んでいます。

2) イースター島問題
マプチェの問題と類似の感じもしますが、先週末、地元飛行場を島の住民が占拠した事件もこの先どう発展するか分かりません。近年、島の住民数は35%も増加しましたがその増加はほとんど全部、内地から来た人間で、原住民は今では半数を割って40%まで落ちています。したがって、島の村長も観光客を締め出すとは言わないが、秩序ある増加が望ましく、島の外から来てここに住みつくのは、制限を設けたいとしています。それほど理不尽な要求とは思えませんが、どうでしょう?島に彼らの意見が掲示されていますが、それによるとこの島をチリ領土とするのは自分たちの見解と異なるとしています。

3) 新型風邪
日本でこの新型風邪が猛威をふるいそうですが、チリでは死者100名(死亡率は約1%)を越したところで、だいぶ収まってきました。
ところが、今週、その新型風邪の病原菌が七面鳥から検出され問題になっています。それらの製品を食べれば人間もその風邪にかかるのか、七面鳥はすべて棄却処分にする必要があるのか、厚生省、保険局は大忙しです。とは言ってもマスコミで大きく取りあげられてはいません。どうして? (政府の指示かな)

4) サンティアゴの物価
世界73の都市の物価指数を調査した結果が発表されましたが、それによるとサンティアゴは前回06年の数字48位から下がって62位になりました。世界で一番物価の高かったのはオスロとか。南米で物価の高いのはカラカス、サンパウロ、リオ、リマらしい。しかし5月にべネスエラを旅行した私は、カラカスの数字が実際とは全く違うと言えます。現地通貨をドルで表示するとき、公式レートで換算すると、実際より3倍も高くなるわけです。闇ルートを使用すれば、彼らの給料は他国より低いし、物価も安くなります。旅行者にとっては、ホテルでも、レストランでも交通費でもカラカスはサンティアゴより安いです。