(経済)

1) 失業率の低下
普通は冬季に入ると季節労働者が仕事を失い (例えば果物の収穫) 失業率が増加するのですが、今週発表された過去3ヶ月の動きはその逆で約1%失業率が低下しました。政府の取っている政策が当たっているとの見方ですが、さてどうでしょう。OECDがチリの就業率が上がっているといっても最低賃金レベルの労働者が増えているだけときつい見解を示しています。確かに大学卒業して初めて就職戦線に参加する学生の場合でも仕事の内容、賃金がこの1年で大幅ダウンと言うニュースもありました。会社が新規のプロジェクトを中止するので新しい職場が増えないというのが理由のようです。
最も多くの失業者が出た業界は小売業と木材業界らしい。私の訪問した南部のトラック屋さんも木材関係が多かったから・・・。

2) 銅の価格の上昇
一つの物質の価格がこれほど一国の命運を担うということをチリに来るまで思いつきもしませんでした。しかしチリは銅の国です。そこで銅価が上昇すればすべて上手くことが運び始めるわけです。
今週、ロンドン市場で1ポンド2.52ドルと世界経済危機が始まる08年10月のレベルまで戻りました。最低レベル1.26ドルの頃の2倍になりました。
チリの鉱山はもう浮かれています。少し前、新規投資はすべて中止、現行の採掘作業まで規制をしていたのが嘘のようで、コデルコは全部のマインが黒字になるらしい。
浮かれた気分はいつまで続くかな?

3) 日本製こだわりサーモン欧州でも人気
塩分を抑えた日本製のサーモンが欧州で人気だというニュースが日本のマスコミに掲載されたので、原材料はどこかなと調べたらノールウェー産でした。ノールウェーからサーモンを持ってきて日本で燻製にしてまた欧州に輸出するのは何か不自然な気もしますが、チリ産でないのが悔しい。
ところでチリのサーモン会社は銀行と再ネゴをしたところはともかく、他は財政赤字で倒産寸前。一部の会社では裁判所の差し押さえの命令も出ています。
先週テレビの討論番組に大手サーモン会社の社長が出演しましたが、あまりのお粗末な話の内容にこれでは先は暗いと思いました。チリのサーモンが壊滅的打撃を受けているかの自己分析がなく政府の批判をしても始まりませんね。
それでもISA病原菌は1996年にノールウェーから入ったとし、その責任者(社)を訴える動きが出ています。会社もひどいし、政府の漁業監督局も役に立っていないということでしょうね。しかし96年ってあまりにも昔の話じゃないかな。その間、全く問題の分析対策をしなかったの?

4) ランチリが上位入賞
世界の航空会社の昨年からの経済危機にどう対処しているかのランキングがある雑誌に発表されましたが、それによると世界の32社の中で、1位はシンガポール航空、2位はルフトハンザで、ランチリは6位となりました。ラテンアメリカではもちろんトップ。(ラテンアメリカの2位はブラジルのタムで19位。)コストが低い、借金が少ないなどの効率性が問題になるわけですが、ランチリもやるものですね。日本の航空会社は10位には顔を出していません。

5) 電話の自由化
チリは電話料金もインターネットの接続料金も世界レベルの高さです。これを是正するため、政府はテンダーをして現行の業者のほかに参加者を募っています。これで携帯電話などの料金は下がるでしょう。