(政治)

1) バチェレットの人気
 2年ほど前はトランサンティアゴの失敗からバチェレットの人気は地に落ちましたが、それが最近は見る見るうちに挽回し、今回の世論調査ではなんと74%の支持を得ました。任期最後の大統領が、かってない高い支持率を獲得したわけです。5日にテレビの番組に出演した彼女は「大統領の人気は民政化以来最高の数字になっているが、政治家(政党)の支持はかってないほど低い(信用されていない)」と質問されました。もちろん頭の良い彼女は「今の政党は右も左も国民を無視して自分たちのことしか考えていないのを国民が知っただけのこと」とは言いませんでした。
 さてチリ人が見るアメリカ各国の首脳についての世論調査で、ブッシュの時代に最悪だったアメリカ大統領の人気はオバマになって急速に回復し、チリ人がもっとも信用する首脳に選ばれました。ついでブラジルのルラ、3位はメキシコのカルデロンでした。不人気な方では最悪がペルーのガルシア、そしてべネスエラのチャべス、ボリビアのモラレスと続きます。
 フレイはバチェレットの人気は政府の施策が国民に圧倒的な支持を受けているのは間違いなく、それを継続するには与党候補の私しかいないと懸命です。
 しかし与党グループからの脱出(脱落)が続いています。DCの中心メンバーだったトリべリが党から離脱し、独立候補になる見込み。まさかエンリケ・オミナミと組むのでは?
 候補者間の討論会が開催され、欧州訪問中のピニェラを除いて全員が出場しました。参加者は与党連合のフレイ、元社会党エンリケ・オミナミ、元社会党のナバロ、元社会党のアラテ、元キリスト教民主党のサルディバルの5名でした。
 これが続くうちに、候補者の色分けが一層鮮明になるわけですね。トリベリが言っていましたが、オバマだって選挙運動の最初のころから優勢だったわけでは無いと、フレイ、ピニェラの脱落を示唆するようなコメントをしています。
2) ピニェラの欧州外遊
しかし彼はフランスとスペインで首脳と会談する機会を持ちましたが、たんなる次期大統領候補に過ぎない彼がそれらの首脳に時間を割いてもらえるのはよほど良いコネがあるからに違いありません。それがちゃんとチリのメディアと報道され、認知度が上がるとのいうわけですね。
3) ホンジュラス軍事革命が起こり、大統領が国外に追放されましたが、これを認めない米州機構は、理事長を同国に送ってネゴしました。彼はチリ人です。同国はその抗議を認めず米州機構からの脱退を宣言。昔はこういうニュースが良くありましたが、最近では珍しいですね。チリでは73年のピノチェットによる軍事革命を経験しているだけにこの種のニュースには敏感に反応します。
4) 与党と最左翼グループ(フントス・ポデモス)が選挙対策で合意したと既に書きましたが、そのグループの一つ人間党が、与党連合のフレイを推さず、エンリケ・オミナミの側につきそうです。しかし若いエンリケ・オミナミの勢いはオバマ大統領の予備選挙のときの勢いのようです。フレイ、ピニェラに比べるとバックになる勢力は著しく小さいですが、若くてハンサムな彼はこれからも旋風をを巻き起こすでしょうね。