(政治)

1) また政治家人気投票が発表され、政界が極端にそれに反応しました。チリって国民の意識調査が好きですね。今回の調査はその方法がいつもの電話で無く、直接面接なので中身が濃いといわれ?大統領選挙候補者もこれに一喜一憂したわけ。今回の調査の結論は決選投票になれば与野党の候補者はほとんど同じ票を得るだろうとのことで、今までの野党ピニェラの優位性が崩れ、与党フレイが上昇したことを確認しました。与党の若手造反議員エンリケ・オミナミも1次選挙では13%を占め候補者の地位を確実にしています。他の候補者はすべて1%以下。
同調査で現職バチェレットの支持率は過去に例を見ないほどの高率を得、彼女がトランサンティアゴの失敗から、支持率を急激に落とした危機を切り抜けたことが確認されています。フレイにすれば彼女の人気は、現政府の人気、国民が現政権を支持するならそれを継続する自分が次期大統領と言うのですが、そうかな?
与党グループは今週、新たな動きを見せ、共産党を含む左翼グループ(フントス・ポデモス)と合意に達しました。そのグループの大統領候補アラテはこれで候補を降り、与党グループは彼らに国会議員のスペースを開けるというもの。キリスト教民主党のフレイが共産党と組むのですからね。しかし彼にとっては批判より実績と言うことでしょう。
2) 元アジェンデ大統領の奥さんが94歳で天寿をまっとう、土曜日に告別式が旧国会議事堂で行われバチェレットがお別れの言葉を述べました。テレビでその中継を見ましたが、涙を見せながらしみじみと告別の言葉を述べるバチェレットはさすがに国民の人気を集める大統領の面影でした。何も演説が素晴らしいというのではありません、昔の思い出を声を落として涙を見せながら話す姿が国民の共感を得るわけです。役者ですね。しかし左翼の私でもアジェンデの失政ははっきりしていると思いますが、すべての思い出を美しいものとし「軍事政権で民主主義を失った痛恨を何とか回復することが出来た。その過程で彼女の存在は大きかった」と結ぶバチェレットのコメントに全部は同調できませんが、どうでしょう。
3) ペルーは現在政治危機にありますが(アマゾン地区のインディヘナ問題や内閣の辞任騒動、ボリビアとの係争など)その大臣がチリを突然訪問しました。領海問題で争う両国ですが、今向こうからチリを尋ねてくる理由は何でしょうか?領海問題で譲歩するから他の事項で助けがほしいとでも言うのでしょうか?